ソフトウェア

オープンソース化されたMS-DOSのソースコードがGitHubで公開される

by Jeff Dlouhy

Microsoftが開発・販売していたPC向けのOSである「MS-DOS」は、コンピューターの歴史上でも非常に重要なソフトウェアの一つといえます。そんなMS-DOSのソースコードが、ついにGitHubで公開されました。

GitHub - Microsoft/MS-DOS: The original sources of MS-DOS 1.25 and 2.0, for reference purposes
https://github.com/Microsoft/MS-DOS

Re-Open-Sourcing MS-DOS 1.25 and 2.0 – Windows Command Line Tools For Developers
https://blogs.msdn.microsoft.com/commandline/2018/09/28/re-open-sourcing-ms-dos-1-25-and-2-0/

Microsoft MS-DOS early source code | @CHM Blog | Computer History Museum
http://www.computerhistory.org/atchm/microsoft-ms-dos-early-source-code/

1980年、後にIBM PCとなるPCの開発に着手したIBMは、Microsoftに新しいOSの開発を依頼しました。そこで当時OS開発に手を回す余裕のなかったMicrosoftは、シアトル・コンピュータ・プロダクツが作成したOSのライセンスを買収し、それをもとにしてMS-DOSを作ったそうです。

シアトル・コンピュータ・プロダクツは後に、「Microsoftは背後にIBMが存在していることを隠してライセンス契約を行った」としてMicrosoftが不正に利益を搾取したとして訴訟を起こしました。結果、1986年にMicrosoftがシアトル・コンピュータ・プロダクツに100万ドル(約1億1000万円)を支払うことで和解しています。


2014年にはMS-DOSのソースコードを、コンピューター歴史博物館の協力の下でMicrosoftが一般公開し、1980年代に広く利用された重要なソースコードを世界中のエンジニアが見られるようになりました。Microsoftがソースコードの一般公開に踏み切ったことで、若いエンジニアがPCのルーツを知り、より多くの知見を得られるようになったとのこと。

MicrosoftがMS-DOSとWordのソースコードを一般公開、サイズはなんと300KB未満 - GIGAZINE


公開されたソースコードの中には、当時の開発者によって書かれた数々のジョークやイタズラが隠されており、話題を集めました。中にはシェークスピアの一節をもじった文章や、「F**k」といったFワードが隠されているなど、開発者たちの茶目っ気がうかがえる貴重な発見がされています。

公開されたMS-DOSとWordのコードには数々のジョークやイタズラが隠されていた - GIGAZINE


MS-DOSのソースコードはコンピューター歴史博物館のサイト上でダウンロード可能となっていましたが、新たにソフトウェア開発のためのプラットフォームである、GitHubでもMS-DOSのソースコードが公開されることになりました。GitHubで公開されたことにより、元のダウンロードファイルよりも参照が容易になっているとのこと。

なお、MS-DOSのソースコードはソフトウェア開発プラットフォームのGitHubで公開されたものの、あくまでも歴史的な知見を得る「参照目的での公開」です。そのため、ソースコードは静的に保たれることになっており、「他のコードのように、ソースファイルの変更を求める送信はしないようにしてください」と注意されています。

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in ソフトウェア, Posted by log1h_ik

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