任天堂があの公道カート「マリカー」に勝訴、損害賠償金は1000万円
任天堂が所有する知的財産権を侵害しているということで、公道カートレンタルサービスの「マリカー」に対して侵害行為の差し止めおよび、一連の行為で生じた損害の賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に提起していました。その判決が下り、任天堂が勝訴し、マリカーにはマリオ等のキャラクターのコスチュームを貸与することが禁止されるほか、損害賠償金の支払いが命じられています。
ニュースリリース : 公道カートのレンタルサービスに伴う当社知的財産の利用行為に関する東京地裁判決について
https://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2018/180927.html
任天堂は2017年2月24日、公道カート「マリカー」による不正競争行為および著作権侵害行為の差止および損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に提起しました。公道カート「マリカー」は、任天堂の人気ゲームシリーズである「マリオカート」の略称である「マリカー」を社名や標章として使い、任天堂の許可なく任天堂キャラクターのコスチュームを貸し出すなどのサービスを提供していました。
訴訟提起した際の任天堂側の主張は以下の通り。
この訴訟において、当社は、被告会社が、公道カートのレンタルサービスを提供するにあたって、当社が製造販売するレースゲームのシリーズとして広く知られる「マリオカート」の略称である「マリカー」という標章をその会社名等として用いており、さらに、被告会社が公道カートをその顧客にレンタルする際に当社の「マリオ」等の著名なキャラクターのコスチュームを貸与等した上、そのコスチュームが写った画像や映像を当社の許諾を得ることなく宣伝・営業に利用するなどしているが、このような行為は当社に対する不正競争行為および著作権侵害行為に該当すると主張しています。
この訴訟の判決が下り、任天堂が勝訴したことが明らかになっています。任天堂のリリースによると、「東京地方裁判所において、『マリカー』という標章等が被告会社の需要者との関係で当社の商品等表示として広く知られていることを認めた上で、被告会社に対して、不正競争行為の差止(例えば、被告会社の営業活動においてマリオ等のキャラクターのコスチュームを貸与することが禁止されることが判決文中で、例示されています。)と、損害賠償金の支払い等を命じる判決が下されました」とのことで、公道カート「マリカー」は今後サービスの一環として任天堂キャラクターのコスチュームを貸し出すことが禁止され、損害賠償金を支払う必要がある模様。
なお、The Wall Street Journalの記者であるTakashi Mochizuki氏によると、公道カート「マリカー」は1000万円の損害賠償金の支払いを命じられたとのこと。
Tokyo District Court ordered Mari Mobility Dev., previously MariCar, to pay ¥10 million in compensation and stop using Nintendo-related outfit. The street go-cart company operates services in Japan, and Nintendo was complaining it was damaging its "Mario Kart" franchise.
— Takashi Mochizuki (@mochi_wsj) September 27, 2018
海外のゲーム関連メディアでも任天堂が公道カート「マリカー」に勝訴したことが報じられており、Kotakuは「公道カート『マリカー』は海外からの観光客に人気が高く、トリップアドバイザーでも高い評価を得ていた」「観光客が起こした事故が著作権問題の引き金となった」と報じています。
Nintendo Wins Lawsuit Against Tokyo's Totally Unofficial Mario Kart
https://kotaku.com/nintendo-wins-lawsuit-against-tokyos-totally-unofficial-1829354328
Polygonは「ヒュージャックマンが街で見かけた頃(2017年5月)はまだ走っていた」と、俳優のヒュージャックマンのツイートで海外でも公道カート「マリカー」が有名になったことを紹介しています。
Nintendo wins lawsuit against Tokyo’s ‘Mario Kart’ tour company - Polygon
https://www.polygon.com/2018/9/27/17910844/mario-kart-tour-japan-nintendo-lawsuit
Game Informerは、「公道カート『マリカー』はウェブサイトからヨッシーやルイージ、ピーチ姫などの服装をしたユーザーの写真を削除していますが、広告ではいまだにバナナの皮や甲羅が記載されている」と指摘。
Nintendo Wins Lawsuit Against Mario Kart-Themed Tour Service - Game Informer
https://www.gameinformer.com/2018/09/27/nintendo-wins-lawsuit-against-mario-kart-themed-tour-service
なお、公道カート「マリカー」の公式サイトは記事作成時点も公開中。ただし、マリオカートに登場する任天堂キャラクターのコスチュームに身を包んだ人々の写真はなく、代わりにスーパーマンやミニオンズなどの衣装を着た観光客の写真が多数掲載されています。
【マリカー 秋葉原】日本最大級公道カートツアー|マリカーを楽しもう♪
https://maricar.com/
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