「豊胸手術したおっぱいはLEDライトで光る」というウワサは本当なのかを解説したムービー
乳房を大きくするために行われる豊胸手術では、シリコン製のインプラントを胸部に挿入して乳房を大きくするという手術が行われます。そんな豊胸手術に関して、日本のTV番組で「豊胸手術を行った乳房にLEDライトを当てると光る」というウワサが検証され、大きな反響を呼びました。そんな「豊胸手術した乳房はLEDライトで光る」というウワサについて、美容整形を行う東京美容外科の新宿院院長である小野准平氏が丁寧に解説したムービーが、YouTubeで公開されています。
「豊胸手術した胸はLEDライトで光る」主治医の見解は?【東京美容外科公式】
解説してくれる小野氏の前には、3個の白いおまんじゅうのような物体と水の入ったペットボトルが並べられています。
小野氏は目の前のおまんじゅうのような物体を手に取りました。この物体は、豊胸手術にも使用されるシリコンインプラント。シリコンインプラントは美容目的の豊胸手術だけでなく、乳がんなどの手術後に乳房を再建する目的の手術にも使用されているそうです。
「先日のTV放送で、このようなシリコンインプラントによって豊胸した患者さんに、LEDライトを押し当てた場合、お胸が光って浮き出て見えるということが放送され……」と語る小野氏。TV放送の後に多くの人々から問い合わせがあったそうで、それを受けて今回の解説ムービーを作成したとのこと。
シリコンインプラントというのは、内部のシリコンと外の膜の構造からなっています。
結論から言うと、シリコンインプラントに光を外に漏れないように強く押し当てた場合、ライトのように光が浮かび上がって見えるというのは事実だそうです。
実際に、部屋を暗くしてシリコンインプラントに光を押し当てて検証してみます。遠くから強力なLEDライトを当てる場合、普通の物体と同様に明るく照らされるだけですが……
LEDライトをグッとシリコンインプラントに強く押し当ててみると、まるでシリコンインプラント自体がライトのようにきれいに光りました。
シリコンインプラントの種類によっても若干の違いがあるとのことですが、シリコンインプラントの輪郭がきれいに浮かび上がるのは事実の模様。
このメカニズムは、「災害時に水の入ったペットボトルがランプ代わりになる」という知恵と基本的には同じ原理だそうで……
小野氏が水の入ったペットボトルに下からLEDライトを当てると、ペットボトル全体がランプのように輝きました。これと似た原理で、シリコンインプラントも強い光によってランプのように光るそうです。
シリコンインプラントによる豊胸手術を行った女性の乳房に対し、LEDライトを外に光が漏れないように強く押し当てた場合、シリコンインプラントの形がランプのように浮かび上がるという事態は起こり得るとのこと。
もちろん、実際にどれほど光るのかどうかはさまざまな条件によって変化します。一番の要因としては、「シリコンインプラントを包んでいるご自身の乳房の乳腺や皮下脂肪の厚みがどれほどかによって、シリコンインプラントが浮き出るかどうかが変わってきます」と小野氏は語ります。
簡単に言うと、もともとの乳房が小さく乳腺や脂肪が初めから少ない人の場合は、シリコンインプラントが皮膚のすぐ下に挿入されるため……
比較的明瞭にシリコンインプラントの形が浮き出ると予想されます。
一方で、もともと乳房が大きく乳腺や皮下脂肪が豊富であったり、シリコンインプラントを筋肉の下に挿入している人の場合は、LEDライトを当ててもシリコンインプラントの形が浮き出にくい可能性があるとのこと。
続いて、実際にシリコンインプラントを挿入した豊胸手術を行った女性と、豊胸手術を行っていない女性に対してLEDライトを当ててみることにします。まず最初に、豊胸手術を行った女性で検証。
この女性はもともとがBカップの乳房に対し、200ccのシリコンインプラントを挿入しているとのこと。さっそく乳房にLEDライトを押し当ててみると……
ぼんやりとシリコンインプラントの形が浮き出ているのがわかりました。ライトの押し当てられたすぐ近くが光るのは普通の皮膚と同様ですが、乳房の反対側にもぼんやりとした光が浮かび上がっています。
しかし、ライトを離すとシリコンインプラントの形はわからなくなるため……
ライトによってシリコンインプラントの形がわかるのは、ライトの光が外に漏れないように完全に押しつけた場合のみだそうです。
至近距離からの光やブラックライトの照明で、形が浮き出ることはありません。
また、携帯電話のライト程度の弱い光でも、シリコンインプラントの形が浮き出る可能性はないとのこと。
続いて、豊胸手術を行っていない女性で検証。
この場合、強いLEDライトを押し当ててもシリコンインプラントのような形が浮き出ることはありませんでした。
ちなみに、LEDライトを乳房に当てたときにオレンジ色に光るのは、シリコンインプラントによるものではなく、人間の体の組織を通していることによるもの。
たとえば小野氏の手にLEDライトを当ててみても、オレンジ色の光が見えました。また、ライトを当てた部分周辺がオレンジ色に光るのもシリコンインプラントの有無にかかわらないため、あくまでもシリコンインプラントの形全体が浮き出た場合のみ、シリコンインプラントがあることがわかります。
今回の検証ムービーが、「豊胸手術を行った乳房にLEDライトを当てると光る」というウワサに対する答えであり、実際に豊胸手術した乳房にLEDライトを当てるとシリコンインプラントの形が浮き出ることは起こりえます。
しかし、小野氏はあくまでも「非常に強い光を外に漏れないくらい押しつけてかつ、もともとの皮下脂肪や乳腺の厚みが非常に薄い方」に限り、シリコンインプラントの形が浮き出ることがあると語ります。日常生活の中で「うっかりシリコンインプラントを挿入していることがわかってしまう」というシチュエーションはまずないだろうとのこと。
なお、このムービーは豊胸手術を受けられた方やこれから受けようと思っている方の不安を取り除くために作成されたものであり、シリコンインプラントの有無を判別する方法を教授したものではありません。また、シリコンインプラントは美容目的の豊胸手術以外にも、乳がんなどの手術後に乳房を再建する手術でも使用されるため、シリコンインプラントが入っているからといって豊胸手術を行ったということにはならない点に注意する必要があります。ムービーの最後では、実際に強いLEDライトを押し当てるとヤケドなどの危険性があるため、「真似などをしないようにお願いします。」と視聴者へ向けてお願いしていました。
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