取材

沈没・消滅の危機にある南国ツバルをドローンで4K空撮してみました


地球温暖化にともなう海面上昇で、平均海抜2メートルの国「ツバル」は消滅の危険があるといわれています。実際に住民の居住スペースが年々削られる場所もあるツバルの「フナフティ島」を、ドローンを使って空撮してみました。

飛行機からツバルを見ると、珊瑚に囲まれた細長い地形であることがよくわかります。


ツバルを上空から眺めると、島の先端には何があるのか?と大いに気になりました。


◆フナフティ島の最南端はどうなっているのか?
ということで、ツバルの首都があるフナフティ島の最南端のポイントを、バイクで目指しました。フナフティ島最南端の様子は、以下のムービーの6分以降で確認できます。

【2.7K】Funafuti island in Tuvalu : Touring by a motorcycle【GoPro】 - YouTube


最南端から見える無人島。干潮時には南にあるいくつもの無人島とフナフティ島は陸続きになるそうです。


最南端から周囲をぐるっと撮影してみました。

ツバル・フナフティ島最南端から見る360度ビューはこんな感じ - YouTube


ツバルの西側はとても穏やかな海。


対して東側は、波が高く荒れた海。東西で対照的な顔を持っています。これは、南北に長い地形のツバルの島々が東西の海を分け隔てているからだとわかりました。


日をあらためて、干潮時にやってくると、確かに向こうの無人島と陸続きになっていました。前日は風が強すぎて飛ばせなかったドローンも、今日は飛ばせそうです。


ポータブルドローン「ANAFI」を使って、ツバル・フナフティ島最南端の上空を360度ぐるっと見回した様子は、以下のムービーで確認できます。

【4K】South Point of Funafuti Island in Tuvalu:Shooting by ANAFI 4K Drone - YouTube


陸続きになった岩肌は、ビーチサンダルでは危険なほど鋭利な状態でした。


ところどころに水が残っており、取り残された魚たちが泳いでいました。


「あの無人島はどうなっているのか……?」と沸き上がってくる衝動。とりあえず、15分くらい歩いてみようと決めて、無人島を目指してみました。


歩いている途中に、心なしか大きくなる東からの波の音。


想像以上に遠い無人島。歩けど歩けどなかなか近づきません。


来た道を振り返るとこんな感じ。まだ、半分にも達していません。


オフラインデータをダウンロードしておいたGoogleマップで位置を確認。さらに15分歩くことにします。


足場が悪く、思った以上に進めません。


潮が満ちるまでに戻る必要がありますが、復路は往路以上に時間がかかるはず。何度も後ろを振り返りつつさらに進みます。


Googleマップをチェック。GPSが狂っているのではないかというくらい、遠い無人島。


約40分歩き、無人島(の端)をしっかりと肉眼で確認することに成功。この時点では無人島への上陸が許されているのか不明だったので、ここで引き返すことに決定。


予想通り帰りの方が時間がかかりましたが、無事、フナフティ島に帰還できました。なお、ツバル・オーバービューの松浦克彦さんによると、現地のツバル人の中には干潮時に3つ先の無人島まで行って帰ってくるツワモノもいるそうです。


◆フナフティ島の最北端はどうなっているのか?
南端の様子がわかったところで、続いて北端へ。マウンテンバイクで向かいました。


途中、広場があったのでドローンを飛ばしてわずか数十メートルまで幅の狭まった島の様子を撮影してみました。

【4K】沈没消滅の危機にあるツバル・フナフティ島北部をドローンで空撮してみた - YouTube


フナフティ島と陸続きのフォンガファレ島を北へ進むと、ついにメインロードが行き止まりになりました。


北端にあるのはゴミ集積場。


中に入ると見えないくらい先までゴミが高く積み上げられていました。


ツバルは珊瑚でできた島のため、地中に穴を掘ってゴミを埋めることができません。そして、ゴミを処理する施設もないため、リサイクルすることも不可能。ということで、あらゆるゴミがこのゴミ集積場に持ち込まれて高く積み上げられるのみというわけです。


中には自動車も積み上げられていました。


ゴミ集積場で働く人。到着したのは17時直前で、もうゴミ集積所は閉鎖の時間だとのこと。


スタッフと一緒にゴミの山の横を歩きつつ、引き返しました。

ツバル・フナフティ島北端のごみ集積所の中の様子 - YouTube


地球温暖化で沈む危険が訴えられるツバルには、ゴミ問題も山積みのまま大きな課題として残されています。


・おまけ
北端・南端で見たこともない光景が見られたフナフティ島ですが、ツバル唯一の国際空港であるフナフティ国際空港の滑走路では、飛行機が離発着しない時間帯は、ラグビーやサッカーなどをする人でにぎわう運動場と化します。

【4K】Playing rugby on runway@Funafuti International Airport, Tuvalu:Shooting from ANAFI 4K Drone - YouTube

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in レビュー,   取材,   動画, Posted by darkhorse_log

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