中国の幼稚園では子どもと触れ合って教育を行う「ロボット教師」が導入されている
かわいらしい見た目と表情を再現できるディスプレイを持ち、幼稚園に通う子どもたちにクイズを出すなどして教育の補助を行う小型ロボット「Keeko」が中国の幼稚園で多く導入されています。
Robot teachers invade Chinese kindergartens | AFP.com
https://www.afp.com/en/news/2265/robot-teachers-invade-chinese-kindergartens-doc-18j6g21
中国の幼稚園に導入されているKeekoはこんなロボット。高さ60cmほどの小さなロボットで、自分で走ることが可能できますが、腕は装着されていません。顔の部分には子どもたちの行動に応じて感情を表現するディスプレイが搭載されています。
Keekoは子どもたちに向かって物語を読み聞かせたり、論理的問題を出して答えさせるクイズを行ったりすることが可能。子どもたちからよい答えが返ってきた時などには、このように目をハート型にすることで喜びを表現し、子どものやる気を喚起するようになっています。
Keeko Robot Xiamen Technologyでトレーナーとして勤務している教師のCandy Xiong氏は「現代の教育はもはや、教師が教えて生徒が学ぶだけの一方通行ではありません」と語り、ロボットが子どもたちに機械的に何かを教えるのではなく、インタラクティブに教育を行うことができる時代が訪れたことを述べています。
Keekoは中国の600以上の幼稚園にすでに導入されており、今後は東南アジア地域などへの進出を考えているとのこと。中国では2017年、単純な会話や表情を覚えることができる初めての人間型のロボットが発表され、中国の「メイドインチャイナ2025」計画の一環として人工知能を開発するための資金と人員が投資される状況が生まれています。
国際連合ロボット連盟(International Federation of Robots)によると、中国は世界でもトップクラスの産業用ロボットが使われており、中国全土の工場で約34万台がロボットが製造業と自動車産業に従事しています。また、特殊医療機器からお掃除ロボット掃除機までの機器を含むサービスロボット市場は2017年、13億2000万ドル(約1470億円)の規模があると推定されています。
ロボットの社会進出が著しい中国では、寺院でお経を読んだり涅槃(ねはん)に達するための支援を行うロボットが導入されてもいるとのこと。しかし一方で、まだまだロボットが人間に取って代わることにはまだまだ時間がかかると考えている人もおり、Keekoが導入されている幼稚園の園長を務めるXie Yi氏は、「何かを教えるためには、インタラクティブである必要があります。人と人との接触やアイコンタクト、顔の表情などが必要です。これらの要素が教育を形作っているのです」と述べています。
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