5歳の子どもが難解で退屈な「プログラミング」をロボットで楽しく理解できる学習システム「Root」

Facebookの元役員Chamath Palihapitiya氏に「プログラミングを学ぶのなら、生涯仕事に困らないことを私が保証しよう」と言わしめ、オバマ大統領が40億ドル(約4400億円)の教育予算を割り当ててアメリカの国家戦略として重要視するなど、デジタル社会で価値が高まる「プログラミング(コーディング)」技術は、一見すると複雑で抽象的で退屈なため、習得する前に挫折してしまうこともしばしばです。プログラミング学習を始めたばかりの子どもに、難解なプログラミングの世界をより興味を持って学習してもらおうと、ハーバード大学の研究者たちがロボット+タブレットでプログラミングを学習できるシステム「Root」を開発中です。
Root, the code-teaching robot | Harvard Gazette
http://news.harvard.edu/gazette/story/2016/04/root-the-code-teaching-robot/
Rootがどんなプログラミング学習ツールなのかは以下のムービーで確認できます。
Meet Root: The Robot that Brings Coding to Life - YouTube

「世の中はますますデジタル化しています」と話すのは、ハーバード大学のWyss Instituteのラディカ・ナパル教授。

デジタル社会ではコーディング(プログラミング)の技術や考え方がますます重要になってきています。

2024年までに新たに100万以上のプラグラミング雇用が生まれるとの予想もあり。プログラミングを学習すれば失業におびえる必要はなくなります。

しかし、学校でプログラミングを教えてもらえる学生はわずか4人に1人。

そこで誰でも簡単にプログラミングを学習できるために開発されたのがRoot。Rootはロボットを使ってプログラミング能力を育てるシステムです。

プログラミングはテキストではなくタブレットを使って入力します。

タブレットの画面をタッチしたり、画面を回転させたりと直感的な操作でコーディングが可能。

複雑なプログラミング言語の知識は不要。画面にアイコンを並べることで、プログラムを作成できます。

作ったプログラムは、Rootロボットを使って即実行可能。ロボットの動きから、プログラミングの意味を理解できる仕組みです。

「コーディングとは抽象的な行為です」と述べるトッド・ローズ教授。

一般的なプログラミングは、規則にしたがってコードをキーボードで入力する地味な作業。

複雑で難解なコーディング作業は、子どもには退屈な作業に感じるものです。

「Rootプロジェクトでは、子どもの目の前のロボットがプログラミングの世界を教えてくれます」と話すのは、プロジェクト責任者のジフサン・ダブロフスキー教授。

ホワイトボードにぴたりと張り付くこともできるRootロボットは、六角形の形でLEDライトを搭載するデザインで、子どもの興味をわしづかみにできます。

Rootロボットは、光ったり移動したり回転したりできるだけでなく、ホワイトボードに軌跡を描くことも可能。

プログラムという行為を、これまでのテキスト入力行為とはまったく違う形で理解させてくれます。

Wyss InstituteがRootを子どもたちに与えたところ、すぐにプログラミングの概念を理解することができたとのこと。

プログラミング経験がなく、「if文」のような構文の知識をまったく持たない子どもでも、すぐにif文の概念を理解できるようになったそうです。

音を奏でたり……

一定の道順で移動したり……

Rootロボットをどのように動かせるのかを試しながら、プログラミングを学習することができます。

5歳の子どもから大学生にいたるまで幅広い年齢と、さまざまなレベルのプログラミングスキルを持つ生徒に対応可能。絵を中心としたプログラムは……

色分けされたテキストに変更可能。

さらに、作成したプログラムをテキストに切り替えることもできるので、視覚的に体感したプログラミング概念を、テキストベースのコードで学ぶことができます。

「世界中の子どもたちがプログラミングを学習できるようにすべての教室にRootを配置するのが究極のビジョンです」と語るタブロフスキー教授。

Rootロボットはホワイトボードやタブレットなどの、すでに教育現場に導入されている教育インフラを活用できる点が大きなメリット。

新しいテキストは必要はありません。

生徒は楽しく学び、教師は楽しく教えることができます。

「生徒も教師もRootを好きになってくれるはずです」とタブロフスキー教授はRootに期待をよせています。

Rootロボットは教室に1台あればOK。

生徒の学年やプログラミング習熟度を問いません。

誰もが簡単にコーディングを学べるための教育ツールとしてのRootに大きな役割が与えられています。

Wyss Instituteは、Rootシステムを世界中の教育現場に配置するべく、システムを共同開発するパートナー企業を募集中とのことです。

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