Slackの使い勝手を良くするChrome拡張機能「BetterSlack」が公開から4日で公開停止に

ビジネス用途で広く使われているコミュニケーション用ツール「Slack」の使い勝手を改善するChrome拡張機能「BetterSlack」が2018年8月30日(木)、わずか4日間で公開停止となりました。その理由を、作者が自らのサイトで明かしています。

Bye bye BetterSlack | g3rv4
https://g3rv4.com/2018/08/bye-bye-betterslack

プログラミング情報をはじめとしたコンピューター技術に関するコミュニティサイト「Stack Overflow(スタック・オーバーフロー)」で働くGervasio Marchandさんは、Slackを使っていてまだまだ改善できる点がいくつかあると感じて、「BetterSlack」という名前のChrome拡張機能を作成しました。

「BetterSlack」でできるようになるのは、特定のユーザーの非表示やハングアウトへのリンク作成、デフォルトで特定チャンネルへ投稿するチェックを入れる、名前の隣にある絵文字の非表示、GoogleドライブやURLのプレビューの無効化などです。以下は、Gervasioさんによるデモンストレーションの様子です。

BetterSlack v1.0 - YouTube

Gervasioさんは2018年8月26日(日)、満を持して「BetterSlack」をChromeウェブストアに登録・公開しました。しかし、わずか2日後の8月28日(火)、GervasioさんのもとにSlack法務チームからメールが届きました。Gervasioさんによれば、その内容は「BetterSlack」がSlackの利用規定に反しているというものでした。

もともとGervasioさんは「BetterSlack」という名称についてはSlackから苦情があるかもしれないと想定していたので、「Slackという名前を外して欲しい」という点はすぐに受け入れました。しかしSlackからの連絡には「サービスに影響を与えないようコードを修正してください」という内容も含まれていました。これはSlackの使い勝手を変更するような拡張機能を作れないことを意味するため、Gervasioさんは「Slackはサービスを改善するための機会を失った」と、悲しい気持ちになったと記しています。

Gervasioさんがわざわざこのようなことを書いたのは、ユーザーからのフィードバックを受けてStack Overflowのメニューバーが改善された件と、GitHubの使い勝手を改善するブラウザ拡張機能「Refined GitHub」の事例があったためです。特に、Refined GitHubは本件と同様に、ブラウザの拡張機能を勝手にユーザーが作っていたという話なのですが、GitHubではプロダクトマネージャーのルーク・ヘフソン氏がRefined GitHubの作者と連絡を取り、反映できる部分に関してはGitHub本体に取り込むという対応を行っています。

Hello from GitHub 👋 - Issue #1469 - sindresorhus/refined-github - GitHub
https://github.com/sindresorhus/refined-github/issues/1469

とはいえ連絡があった以上、GervasioさんはSlackからの勧告を受け入れ、自らChromeウェブストアでのBetterSlackの公開を停止しました。Twitterでは、公開停止したときの様子が見られます。

なお、BetterSlackは「BitterSweet」と改名の上で、GitHubのページ自体は残されています。すでにフォークしたプロジェクトもあるとのことで、そちらに関しては自らは関与していないため止めようがないとGervasioさんは記しています。

GitHub - g3rv4/BitterSweet
https://github.com/g3rv4/BitterSweet