多くの学生が仮想通貨とブロックチェーン技術に興味を持ち始めている

2018年時点において、世界の主要な大学に在学する学生の多くが仮想通貨やブロックチェーン技術に興味を持っているということが、アメリカで最大の仮想通貨取引所として知られるCoinbaseの報告書で明らかとなりました。

The rise of crypto in higher education – The Coinbase Blog
https://blog.coinbase.com/the-rise-of-crypto-in-higher-education-81b648c2466f

Coinbase Student Crypto Survey Reveals Nearly 1 in 5 Own a Blockchain Asset
https://bitcoinexchangeguide.com/coinbase-student-crypto-survey-reveals-nearly-1-in-5-own-a-blockchain-asset/

Almost Half of the World’s Top Universities Offer Cryptocurrency or Blockchain Courses | NewsBTC
https://www.newsbtc.com/2018/08/28/almost-half-of-the-worlds-top-universities-offer-cryptocurrency-or-blockchain-courses/

Coinbaseの報告によると、2018年時点で世界のトップ50に相当する大学のうち21校が「仮想通貨」や「ブロックチェーン技術」に関する学習コースを設けているとのことです。過去にトップ50に名を連ねたことのあるニューヨーク大学(NYU)は、特にこの分野のコースを取る学生が大幅に増加したことで知られています。

NYUの仮想通貨のコースは、同大学で経営学の教授を務めるデイビット・ヤーマック氏によって2014年に開設されました。設立当初、所属する学生は35人でしたが、2018年時点でその数は230人になっており、大幅に増加していることがわかります。ヤーマック氏は「さまざまな金融取引データがブロックチェーンで扱われようとしており、実際に多くのシステムが順調に移行作業を行っています。この分野を学ぶことは学生にとって、非常に大きなメリットになることでしょう」と語っています。

Coinbaseの調査によると、仮想通貨やブロックチェーン技術に興味のある学生は、コンピューターサイエンスを学んでいる学生だけではないとのこと。報告では人類学などのさまざまな分野の学生が、この分野に興味を持っていることが明らかになっています。カリフォルニア大学バークレー校でコンピューターサイエンスの教授を務めるドーン・ソング氏は「ブロックチェーン技術をうまく応用することで、さまざまな研究分野で大きなブレイクスルーを起こす可能性がある」と語っており、将来性の高い分野であるとしています。

ソング氏のように、「仮想通貨」「ブロックチェーン技術」が将来性の高い分野であると語る研究者は多くいますが、大学生全体で見ると、この分野のコースに所属する学生は全体の9％であり、人数が多いとは言えません。Coinbaseは「多くの大学が仮想通貨やブロックチェーン技術のコースを作っていますが、全体で見るとまだ少数です。しかし、今後の注目度の高まりによっては爆発的に増加する可能性があります」と述べています。

この調査では学生の仮想通貨への関心度も調査していて、全体の26％の学生が「仮想通貨のコースを取りたい」と考えていることが明らかになっています。また、「実際に仮想通貨を所持しているか？」という質問については、18％の学生が「所有している」と回答したことが明らかになりました。

このように学生の関心が高い理由として、「仮想通貨やブロックチェーン技術を学んでいることが就職に有利に働く傾向があるからだ」と指摘する声があります。デューク大学で国際ビジネス学の教授を務めるキャンベル・ハーベイ氏は「近年、ロースクールの卒業生にとって就職は非常に厳しい状況となっています。しかし、ブロックチェーン技術を理解している法学部の学生であれば、就職活動を行わなくても、企業から『ウチに来てほしい』とオファーが来るはずです」と語っています。

しかし、スタンフォード大学で仮想通貨の研究をしているベネディクト・バンズ氏は「専門家になったとしても、いずれ仕事を見つけるのが困難な日が来ることでしょう」と述べており、このブームは一過性のものである可能性を指摘しています。