IntelがギガビットWi-Fi＆4K対応のモバイル向け第8世代CPU「Whiskey Lake」＆「Amber Lake」を正式発表、微細化の遅れで相変わらずの14nmプロセス採用

Intelが第8世代のコードネーム「Whiskey Lake」＆「Amber Lake」として知られていたモバイル向け新CPUを正式に発表しました。プロセス微細化が遅々として進まないIntelは、またしても「第8世代」の新製品を販売することになりました。

Intel Launches Whiskey Lake And Amber Lake CPUs for Laptops
https://www.tomshardware.com/news/intel-whiskey-lake-amber-lake,37704.html

Intel Launches Whiskey Lake-U and Amber Lake-Y: New MacBook CPUs?
https://www.anandtech.com/show/13275/intel-launches-whiskey-lake-amber-lake

Intelは2018年6月に台湾で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2018でWhiskey LakeとAmber Lakeについて発表していましたが、Whiskey Lakeを第8世代CoreプロセッサーのノートPC向け「U」シリーズとして、Amber Lakeを第8世代Coreプロセッサーのモバイル端末向け「Y」シリーズとしてそれぞれ正式に発表しました。

Whiskey Lake・Amber Lakeはともに14nmプロセスルールで製造される製品です。モバイル向けの第8世代Coreプロセッサーは、2016年に登場した第7世代Coreプロセッサー「Kaby Lake」のリフレッシュ品(改良版)として14nmプロセスを採用するコードネーム「Kaby Lake Refresh」として知られる製品が2017年に発売されましたが、10nmプロセスで苦戦中のIntelは、2018年4月にモバイル向けCPUとして「Coffee Lake-U」という製品を投入。それに引き続いて今回も14nmプロセス製品を発売することになり、Whiskey Lake・Amber Lakeなどの新・第8世代Coreプロセッサーはいわば「Kaby Lake Refresh Refresh」とでも呼ぶべき状態となっています。

微細化技術で手間取るIntelが第8世代Coreプロセッサーを大量に投入せざるを得ない状況は、以下の記事でも確認できます。

Intelが「第8世代Coreプロセッサー」を発表、同一世代で3バージョンあり混乱は必至 - GIGAZINE

Intelの新CPUが第9世代と名乗れないのは微細化が遅れているせいですが、「第8世代Core U」(Whiskey Lake)と「第8世代Core Y」(Amber Lake)では、Kaby Lake Refreshと同じコアを使いつつTDPをそれぞれ15W、5Wに抑制することに成功しています。さらに、Intel Wireless-AC 160MHzのギガビットWi-Fiコントローラーが内蔵されており、4K解像度のストリーミングの再生をノートPCやタブレットPCで可能にします。

ただし、Whiskey LakeはTDPを抑制するためか、iGPU(内蔵グラフィックス)に「UHD Graphics 620」を採用しており、Coffee Lake-Uの「Iris Plus Graphics」からはスペックダウンしています。

ということで、最新・第8世代CoreプロセッサーのSシリーズとYシリーズのSKUは以下の通りです。Uシリーズ最上位の「Core i7-8565U」は4コア/8スレッド、ベースクロックが1.8GHzで409ドル(約4万5000円)、Yシリーズ最上位の「Core i7-8500Y」は2コア/4スレッド、ベースクロックが1.5GHzで393ドル(約4万4000円)となる見込みです。

2018年8月31日からドイツ・ベルリンで開催されるIFA2018にはWhiskey LakeおよびAmber Lakeを採用するモバイルノートPCや2in1が多数登場することが期待できます。