Intelが「第8世代Coreプロセッサー」を発表、同一世代で3バージョンあり混乱は必至


Intelが2017年8月21日に、第8世代Coreプロセッサーを発表しました。ノートPCなどのモバイル向けのCPUから登場する第8世代Coreプロセッサーには、「Kaby Lake Refresh」「Coffee Lake」「Cannon Lake」という3種類のコードネームのCPUが混在して存在するという異例のラインナップになっており、プロセスルールもそれぞれ異なることから消費者の混乱が避けられない状態になってしまっています。

Intel: "Tune in now to see how the new #8thGen #Intel Core Processor is designed for today and what comes next."
https://www.pscp.tv/w/1vOxwOgWaPmxB

New 8th Gen Intel Core Processors: Simplifying Today, Opening the Door for What’s Next | Intel Newsroom
https://newsroom.intel.com/editorials/new-8th-gen-intel-core-processors-simplifying-today-opening-door-whats-next/

Intel Launches 8th Generation Core CPUs, Starting with Kaby Lake Refresh for 15W Mobile
http://www.anandtech.com/show/11738/intel-launches-8th-generation-cpus-starting-with-kaby-lake-refresh-for-15w-mobile

Intel's 8th Gen Kaby Lake-R Launched, Cannonlake and Coffee Lake in Q4
http://wccftech.com/intel-8th-gen-cpu-launch-kaby-lake-cannonlake-coffee-lake/

コンシューマー向け第8世代Coreプロセッサーは、Core i7/i5/i3という従来通りのブランディング。数字が大きいほど高性能であることを示しています。


第8世代Coreプロセッサーには、デスクトップ向けの「Sシリーズ」から2in1などのモバイル端末向けの「Yシリーズ」まで4種類のモデルが登場する予定です。


◆Kaby Lake Refresh
2017年8月21日の発表会で登場したのは、ノートPC向けの「Uシリーズ」のみ。デスクトップ向けCPUの発表を期待していた人にとっては肩すかしの内容となりました。


TDPが15W以下のUシリーズは、コードネーム「Kaby Lake Refresh」と呼ばれる4コアCPU。従来のUシリーズCPUはCore i7シリーズでさえ2コア/4スレッドだったのに対して、第8世代CoreプロセッサーUシリーズではコア・スレッド数ともに2倍の4コア/8スレッドへと大きく進化することになり、最大40%の性能向上を果たすとIntelは主張しています。


40%アップの内訳は、2コア→4コア分が25%アップと大きな割合を占めています。


Intelは第2世代Coreプロセッサー「Sandy Bridge」や第3世代Coreプロセッサー「Ivy Bridge」など5年前のCPU比で2倍の性能向上だとアピールしています。ここには、5年前のCPU以来、大幅な進化が見られないことからユーザーの買い換えが思うように進んでいない現状をなんとか打破したいというIntelの思惑が透けて見えます。


2017年8月21日に発表されたのは「Core i7-8650U」「Core i7-8550U」「Core i5-8350U」「Core i5-8250U」の4種類。


以下はAnandTechが作成した第7世代Coreプロセッサー「Kaby Lake Uシリーズ」と比較する表。コア数が倍増する中、TDPを15W以内に抑えるためにベースクロックが大幅に抑えられているのがよくわかります。


4Kムービー対応やノートPCの薄型化に第8世代CoreプロセッサーUシリーズの果たす役割については以下の公式ムービーで確認できます。

Introducing 8th Gen Intel Core Processors - YouTube


第8世代CoreプロセッサーUシリーズとして発表されたCPUは、Intel社内では「Kaby Lake Refresh」と呼ばれているモデルで、「14nm+」という第2世代の14nmプロセスで製造されています。これは、第7世代Coreプロセッサー「Kaby Lake」とまったく同じで、第8世代Uシリーズは「TDP15W以下」&「コア数の倍増」という要請のもとに作り出された、TDPが45W以下の第7世代HシリーズのRefresh(改良)版にすぎないというのが実情です。


◆Coffee Lake
他方で、第3世代の14nmプロセス「14nm++」で製造されるのが「Coffee Lake」であり、デスクトップ向けCPUはCoffee LakeのSシリーズが対応する予定。すでに、6コア/12スレッド化になるという予想が飛び交っています。

6コアのCore i7&i5がメインストリーム向けの第8世代「Coffee Lake」で登場する可能性 - GIGAZINE


自作PCファンにとってもAMD Ryzen 7/5シリーズの対抗馬として期待されるCoffee Lake世代のSシリーズCPUですが、スペックに関する具体的な発表はなし。今回はCPUのパッケージのみ発表されました。


なお、すでにリークされている情報によると、Coffee Lake世代のデスクトップ向けCPUは、2017年Q4(10月から12月)に登場する「Z370」から対応する予定。ただし、笠原一輝氏によるとZ370チップセットはすでに登場している第7世代CoreプロセッサーKaby LakeのSシリーズ用のIntel 200チップセット(Z270)のリフレッシュ版で、新世代のダイベースとなるのは2018年に登場予定の「Z390」などからになるとのこと。当初は、対応チップセットもRefresh版になるというわけです。

◆Cannon Lake
第8世代Coreプロセッサー「Cannon Lake」は当初、第6世代Skylakeシリーズを製造する14nmプロセスを微細化した10nmプロセスで製造する初めてのCPUとして、2016年末に登場する予定でした。しかし、10nmプロセスでの製造が難航した結果、SkylakeのRefresh版として第7世代「Kaby Lake」が、第8世代として「Coffee Lake」が登場することで時間稼ぎがされてきたわけですが、真の第8世代CoreプロセッサーであるCannon Lakeも2018年中に「第8世代」として登場する予定です。なお、当初は歩留まりを高めるべく、比較的小さなダイサイズの「Yシリーズ」や「Uシリーズ」として登場し、デスクトップPC向けの10nmプロセス採用CPUは、第9世代Coreプロセッサー「Ice Lake」が担うことになるという予想が出されています。

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ということで、「Kaby Lake Refresh」まで登場し、コードネームが異なる3つのCPUが混在して同じ「第8世代」として登場することになったIntelのここまでのロードマップを表にすると以下の通りです。「Lake」シリーズが続き、アーキテクチャが一向に刷新されていない現状がよく分かります。


10nmプロセスでの製造が遅れに遅れたことで、Kaby Lake Refresh・Coffee Lake・Cannon Lakeという異なるコードネームを持つ3種類のCPUが混在することで、ユーザーの混乱は避けられそうにありません。

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