急性アレルギー反応を抑える「エピペン」のジェネリック医薬品をFDAが承認、ジェネリック版としての承認は初
アメリカ食品医薬品局(FDA)が、製薬会社のTeva Pharmaceuticalが開発したジェネリック版のエピペンと自動注射器を承認しました。エピペンのジェネリック医薬品が承認されたのは初となります。
FDA approves first generic version of EpiPen - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/news/to-your-health/wp/2018/08/16/fda-approves-first-generic-version-of-epipen/
FDA approves first generic EpiPen - ABC News
https://abcnews.go.com/US/fda-approves-generic-epipen/story?id=57221884
エピペンは虫刺されなどが原因で発症する急性アレルギー反応を抑える医薬品です。日常生活で急性アレルギー反応を起こす可能性の高い人はエピペンを常備しておくことで、いざ発症したときに医療機関に搬送されるまでの症状悪化を抑える薬として使用することができます。
エピペンは2009年に約100ドル(約1万1000円)の価格で取引されていましたが、2016年8月には、製造元のMylanによって、価格が600ドル(約6万7000円)に引き上げられました。当然、不当な価格のつり上げとして、Mylanは大きな批判を浴びることになりましたが、この対応は改善されることはなく、低価格版のエピペンの登場が期待されていました。
エピペンのジェネリック医薬品が承認されたことについて、FDAのスコット・ゴットリーブ長官は「今回の承認は、『低コストの代替品の選択を可能にする』ことを目的とした長年の公約の1つでした」と語っています。
また、同氏は「重度のアレルギーを持ち、何度もエピペンを処方しなければならない人に対して、薬品を安定供給することはもちろん、低価格のオプションを選択できるようにすることが重要です」とも述べていて、エピペンの価格高騰に対する対応であると説明しています。
ゴットリーブ氏はジェネリック版のエピペンについて「一般的な医薬品よりも挑戦的な承認だった」と説明。FDAが承認したエピペンは人体に注入する薬剤だけでなく、医師でなくても簡単に投与することを可能にする自動注射器がセットになっています。ゴットリーブ氏は「複雑な機構を持つ製品はコピーするのが難しく、他の製薬会社で同様のジェネリック版のエピペンを開発するのに時間がかかってしまいます」と語っており、他の製薬会社でも同様の製品が効率的に開発できるように取り組んでいくとしています。
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