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インフルエンザの予防接種の値段はどうやって決めているのか


11月25日、千葉県浦安市では新型インフルエンザの上陸を警戒して対策本部が設置され、大阪府と山梨県ではすでに注意報レベルを超えた地域があるなど、今年もインフルエンザの季節がやってきたようです。日頃流行に敏感であると自負している人でも、この流行ばかりはスルーしたいところ。

GIGAZINE編集部でもインフルエンザワクチンの予防接種を受けたのですが、予防接種を受けて「去年より高いな」と感じたり、予防接種の値段はどのように決められているのかが気になったことはないでしょうか。


今回は、インフルエンザの予防接種の値段はどのようにして決めているのかを、実際に医師に問い合わせてみました。

詳細は以下から。ご存知の方も多いように、予防接種は健康保険が適用されないため、値段は医療機関によって異なります。

普段買い物は一番安い店を探して買うという人も、こればかりは「地域最安!予防接種4000円!」などと広告が出ているわけではないので、受けてみるまでわからない、あるいはクチコミに頼るしかない状況です。

各都道府県医師会によるガイドラインのようなものはあるものの、各医療機関の裁量による部分が大きいということで、実際予防接種の値段はどのようにして決められているのかを、医師にメールでインタビューしてみました。

質問と回答は以下のとおり。

GIGAZINE(以下、Gと省略):
ワクチンの種類によって値段は異なるのですか?混合は高い?

医師A
日本のワクチンは1種類のみです。基本的にはどの会社も同一の、国が定めたウイルス株を培養してそのヘマグルチニン抗原を利用しているのです。混合という意味がわかりませんが、どれもA型2株とB型ウイルス1株の混合ワクチンです。

G:
メーカーによる違いは?ジェネリック(後発医薬品)はありますか?

A:
メーカーにより保存剤や安定剤の量に少し違いがあるようですが、効果については大差ないはずです。ジェネリックの存在は知りません。

G:
他の薬品のように仕入れは買い上げなのか?返品はできますか?(ワクチンは処方せん薬局で打ってもらうというわけにはいかないので病院の負うリスクが大きいと思われるため)

A:
会社によるでしょう。

G:
需給バランスによって仕入れ値の価格変動は?

A:
過去にはそうした事が生じましたが現在安定的に供給されています。

G:
ワクチンの寿命は?今年のが余ったら来年は使えないのですか?

A:
使えません。

G:
シーズン末の在庫一掃セール(薬品卸し値、病院で決める値段ともに)みたいなことは?

A:
聞いたことがありません。

G:
感染リスクが高い人でも値段は一緒なのですか?

A:
一緒です。

G:
子供と大人ではワクチンの用量が違うとのことですが、値段は一緒なのですか?

A:
一緒です。

G:
保険が適用されるケースはないのでしょうか?(例:AIDS患者、妊婦など)

A:
ありません。ただし、高齢者などでは地方自治体によって補助があります。

G:
価格のうちどの程度が病院側の裁量で決められるのですか?

A:
企業秘密です。

G:
注射前の問診などの点数は?熱を測ったりしたらそのお金もとられるのですか?

A:
それも接種料に一括して含まれています。

G:
大体でいいのですが、ぶっちゃけた話、一番高いところと一番安いところの値段の差はどれくらいですか?

A:
ちょっとわかりかねます。

G:
今年の流行予測は?予防接種を受ける人の数、患者数の出足は例年に比べどうですか?

A:
ある施設では4例テストして今のところ陽性例はなかったそうです。接種者数はほぼ昨年と変わりません。施設や地域で異なるでしょう。自治体によって補助の額に差があります。

G:
ワクチンの出荷数(予防接種を受けた人数)とその年の流行のレベル(感染者数、死者数)に相関はありますか?

A:
はっきりしたエビデンス(証拠)は今のところ無いと思います。

G:
今日からできるおすすめの予防法を教えてください。

A:
不必要な外出を避ける事です。保温や栄養、睡眠を確保すること。うがいや手洗いは大事です。マスクは乾燥した冷気を吸わないため有用でしょう。咳やくしゃみをしている人にはなるだけ近づかないことです。また、そうした人はマスクをかけるべきです。

G:
ところでインフルエンザの注射がものすごく痛いのはどうしてなのでしょうか?

A:
痛みは人によってそれぞれです。まったく痛くなかったといった人もいました。


やはり値段についてはガードが固いようで、具体的な数字は一切教えてもらえませんでしたが、さらにネットで調べてみると、大人は税込み2000円、子どもは2回接種で2000円というケースや、さらに安く大人1500円、子ども1200円という事例もあるようです。また、別の医師によると原価は今年は1200円から1300円の間とのことです。

ちなみに「この病院が安い」という評判を聞いて受けに行っても、初めてかかる病院では初診料がかかる場合もあるため、かかりつけの医療機関で受けた方が安いということも多いようです。

「学校休めるからラッキー」「有給使えるから大歓迎!」という方は別として、感染の確率の低さや感染した場合の治りの早さを考えると、決して高い買い物ではない気がします。職場などで予防接種を受けない人は、かかりつけ医に「いくらくらいかかりますか?」と試しに聞いてみるとよいかもしれません。

なお、インフルエンザの基礎知識などに関しては以下のサイトが詳しいです。

インフルエンザ情報サービス:インフルエンザの最新流行状況から予防法、基礎知識等をご紹介

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in メモ,   取材, Posted by darkhorse_log

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