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手数料不要・分散ネットワーク型のECサイトで地方経済活性化を目指すプロジェクト「Nile」


近年、Amazonをはじめとした巨大企業の影響が強くなってきています。特にAmazonは商品ラインナップが非常に充実しており、世界中の多くのユーザーを獲得しています。このため、地方のお店にやってくる顧客が減少するという状況となっており、地域経済が尻すぼみになる原因となっています。そこで、マルコ・カスタグノリ氏はGitHubでAmazonに負けない巨大インフラをみんなの手で作る「Nile」プロジェクトを立案し、開発者などの人員を募集しています。

Nile: decentralized, commission-free, local-economy focused ecommerce · Issue #78 · open-source-ideas/open-source-ideas · GitHub
https://github.com/open-source-ideas/open-source-ideas/issues/78

NileはAmazonのような「ECサイトを作る」ことを目的としています。このサイトはモール型のECサイトとなっていて、数多くの店舗がNileに出店することで商品のラインナップが充実するようになっています。また、Amazonとの大きな違いは、Nileに出店する際の手数料は一切必要なく、商品に支払われた代金は100%店側に入る仕組みになっているという点。

ここで気になるのは、Nileの運営費用はどこが賄うのかという点です。実際、多くのECサイトはデータセンターの施設を借りたり、自前で大規模なサーバーやネットワーク環境を構築したりして運用する必要があります。当然、これらの費用をゼロに抑えることは不可能です。


カスタグノリ氏も「サイトの運営をコストをかけずに行うことは不可能」であることを認めています。そこで、同氏はECサイトをグリッド・コンピューティングブロックチェーン技術を用いた分散ネットワーク型のサービスとして構築することを考えています。このようにすることで、データセンターを借りる必要もなければ、高性能なサーバーを構築して運用する必要がなくなるため、日々の運用にかかるランニングコストや人件費を大きく抑えられるとしています。この結果、Nileのサービス上に掲載する広告料だけで日々の運営が成り立つようになると見込んでいるそうです。

カスタグノリ氏は配達についても地方経済の活性化させる戦略を考えています。Nileは配達を基本的に地域の配送業者(自転車配送など)に委託する方針。また、店舗の出店と同様にNileの商品を配達するからといって、手数料が引かれるということはなく、配送料は100%業者に支払われます。このため、Nileは広告料以外の収益を一切考えていないそうです。

記事作成時点でカスタグノリ氏はNileプロジェクトに参加する開発者を募集しており、「プロジェクト参加者とともに分散環境をどのように構築するかなど方針を探っていきたい」と語っています。

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in メモ,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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