従業員一人あたりで最も多く収益を生み出す効率の良いビジネスは何なのか?
企業にとって従業員は利益を生み出すための資産の1つであり、企業が従業員一人あたりどれだけの収益を上げているのかを示すRPE(Revenue Per Employee:従業員あたり収益)はその企業の効率性を図る上で重要な指標です。あまたある業界の中で、どの分野が最も効率良く収益を上げることに成功しているのかをまとめたリストが公開されています。
What Industry Has The Highest Revenue Per Employee?
https://craft.co/reports/where-do-the-most-productive-employees-work
リストを作成したのは、機械学習によるデータ分析プラットフォームを提供するCraftです。アメリカの主要な経済指標であるS&P 500に含まれる500社を対象にデータを分析した結果、、以下の「トップ50」がはじき出されました。
トップ20を抜粋するとこんな感じで、見事に「エネルギー」が上位の大部分を占めている様子が一目瞭然。「エネルギー」は20社中で13社を数え、ついで「ヘルスケア」が4社、「金融」が2社、そして「Consumer Staples(生活必需品)」が1社となっています。トップ50でみても「エネルギー」は24社とおよそ半数を占めています。
「エネルギー」の強さは、実際のRPEの値にも現れています。各分野の平均RPEをグラフにすると、「エネルギー」が226万7000ドル(約2億5000万円)と断トツのトップ。「ヘルスケア」の89万6000ドル(約9950万円)も決して悪い数字ではないといえますが、「エネルギー」との間には2倍以上の大きな差を付けられている状況。
「エネルギー」の強さの秘訣についてCraftは、「利益の源泉が自然の資源や物理的資産に大きく偏っているため」と分析。つまり、少ない人数で機械を動かして価値のある資源を産出する、というエネルギー業界特有の構造のおかげで、この分野は高いRPEを上げることができているというわけです。
一方、今回の分析で「最も順位が低かったランキング10」が以下の表。見事に「Consumer Discretionary(一般消費財)」が8社を占め、2社の「Infomation Technology(情報テクノロジー)」が割り込んでいます。一般消費財の中には「マクドナルド」や「スターバックス」、世界的ホテルグループの「ヒルトン・ワールドワイド」などが含まれています。また、情報テクノロジーの2社もコンサルティング企業の「アクセンチュア」や「コグニザント」と、日本でも耳にする企業となっています。
これらの企業が下位を占めたのも、やはり企業構造に大きな理由があるとのこと。マクドナルドやスターバックス、ヒルトンホテルなどのRPEが相対的に低くなるのは、それだけ多くの人員を割り当てなければならないという業界特有の構造にその原因があります。また、アクセンチュアなどコンサルティング企業のRPEが下がるのも同様の理由だとのこと。
テック業界を抜粋してRPE順に並べ、2014年から2017年にかけての変化を示したのが以下の表。1位は「Apple」で、RPEは186万4000ドル(約1億8700万円)。期間内のRPEの成長率は0%で、収益増加率と従業員増加率はともに6%となっています。2位の「Facebook」はRPEの成長率こそ0%とAppleと同様ですが、収益と従業員の規模が大きく拡大しているのが注目すべきポイントかも。3位はGoogleを傘下に持つ「Alphabet」となっていました。
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