3次元上でオブジェクトが「4次元に消えていく」様子を楽しめる「4D Toys」
我々人間が暮らす現実世界は3次元上や4次元上に存在するものと言われます。目で立体を認識しながら生活する人間にとって「3次元」というのは比較的理解しやすい考え方ですが、「4次元」となるとイマイチイメージしづらいもの。そんな中、3次元上で気軽に4次元に触れられる「4D Toys」というゲームが登場しており、物体が「4次元に消えていく」など普通ではあり得ない不思議な挙動が楽しめるようになっています。
4D Toys: a box of four-dimensional toys, and how objects bounce and roll in 4D - YouTube
4D Toysにおける「4次元」というのは、3次元に「時間」という次元を加えたものだそうです。
しかし、現実世界では3次元までしか表現できないため、4次元上の存在であるオブジェクトたちはアプリ上では3Dで表現されます。例えば以下のようにキューブを積み重ねたものを……
倒します。
すると、一部のキューブが消えてしまいました。
「120Cell」と呼ばれる4次元の球体の場合……
転がりながら形状や色味が変化。一体何が起きているのかは、説明なしだと全くもって理解不能ですが、次元の数を減らした例え話からその仕組みを簡単に理解することができます。
以下のような2次元の世界を例に、アプリ上で何が起こっているのかが簡単に解説されています。2次元に立っているキャラクターを自分とすると、2次元上ではボールが縦か横に動く様子しか見ることはできません。
しかし、実際には以下のようにボールは3次元上に存在しており……
ボールを3次元的に動かすことが可能。
ボールを3次元的に動かす様子を2次元上で表現しようと思うと、ボールが以下のように大きくなったり小さくなったりします。
ここで赤いボールを空中に持ち上げて……
落とします。ボールが地面に落ちたはずなのに、2次元上ではボールが浮いたまま。これはキャラクターの見ている2次元平面が赤いボールの中心部分を通っていないためで、画像左下の3次元上での様子を見ればどのような状況下がわかりやすいはず。
さらに奥にボールが転がってしまうと、2次元上からは赤いボールを認識できなくなってしまうこともあります。
立方体の場合は……
2次元で見るとより不思議な形状に変化することがあります。
2次元から3次元を見ることは、3次元上の物体を2次元的な平面で捉えるようなものであり、これは「MRIのよう」と4D Toys。
これを踏まえて4D Toysに戻ります。現実世界は3次元ですが、4D Toys上の物体は4次元の世界に存在します。
しかし、目では3次元までしか見えないため、物体の一部が4次元方向に転がってしまうと、見えなくなってしまうわけです。
先ほどの例のように説明すれば、4D Toysでは「3次元上で4次元の物体の断面を見る」わけです。
キューブが刻一刻と形状を変化させていき……
三角柱になってしまいました。
6本の角柱に……
ボールをぶつけます。
すると角柱が色や形状を変化させます。4D Toysで表示される3Dオブジェクトが想像通りに動くことはなく、ボールが浮いたり、キューブが消えたりと不思議な挙動をみせます。
以下の2つのリングは4次元上でのみ穴から片方のリングを取り出すことができます。
以下は24個の面を持つサイコロですが、転がすと面の数が5~600面にまで増減します。
2次元上で3Dオブジェクトを表示した際には答え合わせに3次元の世界での物体の動きを確認することができましたが、3次元上で4Dオブジェクトを表示しても、実際に4次元上での物体の動きを確認することはできません。それでも4次元上の物体の動きを擬似的にアプリ上で楽しむ事ができるというのはとても不思議な感覚で、何よりワクワクするもの。
なお、4D ToysはApp StoreおよびSteam上で配信されており、iOS版は720円、Steam版は1480円で購入できます。
「4D Toys」をApp Storeで
https://itunes.apple.com/jp/app/id1143791442
Steam:4D Toys
https://store.steampowered.com/app/619210/4D_Toys/
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