わたしたちが住む世界の「次元」とはいったい何なのか?
By MichelSmolders
わたしたちは普段、3次元空間のなかで生活していると言われています。そもそも「次元」とは一体何なのか、わたしたちはなぜ「自分たちが3次元空間に生きている」と知り得ているのかという疑問について、以下のムービーで説明されています。
What is a dimension? In 3D...and 2D... and 1D - YouTube
わたしたちは、自分たちの住んでいる世界が3次元だということを知っていますが、どうやってそのことを知り得たのでしょうか。わたしたちは普段から特定の座標を指し示すためには3つの数x、y、zの組み合わせ、あるいは緯度・経度・高度といった3つの座標軸を用いますが、それが理由で3次元だと思っているのではありません。
例えば空間充てん曲線と呼ばれる不思議な曲線を使えば、1本の線で平面や立体を埋めることができると数学的に証明されています。このムービーで描かれているのはペアノ曲線と呼ばれる曲線です。
数字を3つも使わなくても、この空間充てん曲線を用いることで、たった1つの数字で特定の座標を指し示すことができるようになってしまいます。3つの数字で座標を示すからといって3次元空間だとは言い切れません。
おかしなことを言ってるように思われるかもしれませんが、これは「正方形の中にある点の数はその正方形1辺の直線に含まれる点の数と同じだ」という理屈から成り立っているのです。
しかしわたしたちは、自分たちはぐちゃぐちゃに折り畳まれた1本の線のなかで生きている、などと思っていません。ではなぜ自分たちが3次元空間のなかで生活していると知覚できているのでしょうか?
わたしたちは3次元空間そのものをはっきり知覚しているのではなく、3次元空間に生きていると経験的に知っているに過ぎないのです。
例えば拡散する気体を想定しましょう。気体は時間とともにどんどん広がっていきます。この時、気体の広がった範囲の半径と、気体の体積を計測します。
この世界が1次元空間であれば体積は半径に比例しますし、2次元であれば体積は半径の2乗に比例、3次元ならば半径の3乗に比例、4次元ならば……と、体積と半径の関係から次元をうかがい知ることができます。
実際に計ってみると、例えば一定時間が経過して半径が2倍になった場合、体積は8倍に膨れあがっています。体積が半径の3乗に比例しているので、わたしたちは3次元空間に住んでいることが分かるというわけです。
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