大学生の多くが満足に食事できていないという現状

by mandarinMD

「4年制の大学に通う学生は十分な食事がとれていない」という事態はアメリカではイメージされにくく、このような学生は専門学校生に多いと考えられがちです。しかし、調査によって近年は4年制の公立・私立大学に通う学生の中にも、十分な食事がとれていない人が増加しているとのこと。

College Students Facing Hunger Need More School Support, Researchers Say : Shots - Health News : NPR
https://www.npr.org/sections/health-shots/2018/07/31/634052183/for-many-college-students-hunger-makes-it-hard-to-focus


アイオワ大学のKatharine Broton准教授によると、「4年制の大学に通う学生に、食事が取れない人はいるまい」というイメージは、今日の学生たちに対する誤解に基づくものです。今日の大学生は「仕事を行うことなく、フルタイムで4年制の大学に通う」と考えられがちですが、実際にはこのようなステレオタイプから外れる学生も多く、(PDFファイル)調査では大学生のうち4人に1人が誰かの親だということも示されています。Broton准教授は「多くの学生が働いていて、金銭的援助を受けていながらも、食べるものに困っていることが調査でわかりました」と語っており、大学の授業料が高騰しているため、金銭的な援助を受けていても間に合わない現状を明かしています。

2017年から2018年にかけての(PDFファイル)調査では、無償資金協力や税制上の優遇措置を考慮に入れても、4年制の大学に通うフルタイムの学生は年間平均1万4940ドル(約170万円)の生活費・授業料を払う必要があることがわかっています。

このような状況に対して研究者らは警鐘を鳴らしており、学生たちを支援するプログラムを立ち上げる人も。カリフォルニア大学ロサンゼルス校の学生だったときに「Swipe Out Hunger」を立ち上げたRachel Sumekhさんもその1人で、大学の寮で提供される食事を食べない場合に、ほかの誰かに食事を食べてもらえる仕組みを作りました。このプログラムには既にアメリカの48の学校が参加しており、特に2017年は参加大学が劇的に増加したとのことです。学生の中には空腹過ぎて勉強に集中ができない人もおり、Swipe Out Hungerを利用することで食事が取れ、GPAがアップしたという例も報告されています。

by klimkin

Swipe Out Hungerに参加するカリフォルニア大学バークレー校の調査によると、大学生の38%、大学院生の23%が学生時代のどこかの時点で食料危機に直面したと答えているとのこと。特に、親の収入が低い学生や自身をLGBTQと認識する学生、大学一年生はそのリスクが高いそうです。このような事態を受けてカリフォルニアでもCalFreshという補充的栄養支援プログラム(SNAP)やフードスタンプを行う支援プログラムが行われており、学生たちをCalFreshに登録させることが重要と考えられています。

一般的に連邦規則では、SNAPを利用するためには週20時間以上の労働を行う必要があります。ただし、何を就労、あるいは訓練プログラムと見なすかには融通が利くため、特定の教育プログラムに参加した学生を「CalFreshの資格あり」とすることは可能とのこと。

一方でCalFreshの支援を受ける資格ありとみなされなかった学生たちに料理の方法を教える別の食料支援プログラムも用意されているほか、15週間にわたって適切な食事や料理、食料の買い出しの方法について教える栄養科学のコースもあるそうです。

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