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「簡単には閲覧できない特別なエロ本」が世界中の図書館にひっそりと収蔵されている

by dilettantiquity

図書館は自由に市民や学生が出入りし、興味のある本や研究に必要な資料を借りて読むことができる場所です。ところが、図書館がエロ本を公共の場所に置かずにひっそりと収集するパターンも存在するそうで、そういった「閲覧の難しいエロ本」は世界中の図書館に眠っています。

Do Not Read | Lapham’s Quarterly
https://www.laphamsquarterly.org/roundtable/do-not-read

19世紀ごろ、世界各地の図書館員は「過激なポルノ本を公共の目に触れさせるのはいかがなものか」という意識を持つようになりました。その結果、多くの図書館において「学術目的の人間だけが、適切な目的に必要な場合のみ」閲覧を許された、特別な本棚が作られることになったそうです。以下では、そんな各地の「閲覧禁止本」を所蔵する図書館について説明しています。

◆大英図書館の「プライベートケース」
大英図書館では、ジョン・ウィンター・ジョーンズという人物が1856年から印刷された出版物の棚を管理するようになりました。ジョーンズ氏は異端な思想やポルノやエロティックなテキストを持つ書物について、「Private Case(プライベートケース)」という特別なラベルを貼って通常の本とは別に管理し始めたとのこと。

基本的にプライベートケースとして分類される書物はポルノやエロティックなものがほとんどであり、イギリスの著名な猥褻(わいせつ)物コレクターであるジョージ・ウィット氏の男根崇拝本コレクションや、1890年から1930年にかけてチャールズ・レジナルド・ダウス氏が収集したフランスのエロ本などが収蔵されていました。プライベートケースの存在は周囲に対して隠されており、大英図書館に収蔵された本のカタログにも記載されておらず、一部の人間しか存在を知らなかったとのこと。1983年にはカタログにもプライベートケースの本が記載されるようになり、一部の本は通常の棚にも置かれるようになりました。

by Rain Rabbit

◆バチカン図書館の「インフェルノ」
バチカン図書館ローマ教皇庁が所有する図書館で、何世紀にもわたる歴史的に重要な本のコレクションがあるとされています。そんなバチカン図書館には、「世界最大のポルノ資料」が秘密裏に所蔵されているとのウワサがささやかれており、人々は実在するかどうかも不明なそのコレクションを「インフェルノ」と名付けました。長年にわたり世界中から収集した大量のポルノ資料があるとされるバチカン図書館ですが、当然のことながら図書館員はインフェルノの存在を否定しています。

by Storm Crypt

◆フランス国立図書館の「L’Enfer」
フランス国立図書館には、「L’Enfer(『地獄』という意味)」と名付けられた閲覧禁止本のコレクションがあります。L’Enferは1830年にエロ本と「道徳に反する」とされた本を収集するために作られ、収蔵された本のほとんどが人々から押収されたものだとのこと。

たとえ「没収されたり道徳に反するような本であっても図書館は保存するべき」と考えた図書館員たちは、非公開のままL’Enferの収集を続け、1913年にカタログが作成された時には855のタイトルが存在していました。近年では新たにコレクションが追加されることはありませんが、2007年にはL’Enferコレクションの一部を公開展示しました。

by Tilemahos Efthimiadis

◆ニューヨーク公共図書館の「三つ星コレクション」
ニューヨーク公共図書館では、猥褻な作品に対して手書きの三つ星マークがつけられていました。このマークがついている図書を利用者が読む場合には、監督者が利用者を監視していなくてはならないとされていたそうです。20世紀半ばに三つ星マークのシステムが導入され、三つ星マークの図書は特定の本棚に収められるようになり、利用者は他の利用者から隔離された場所でのみ三つ星マークつき図書の閲覧ができました。

by drocpsu

◆ボドリアン図書館の「Phi Collection」
エドワード・ニコラス氏はオックスフォード大学が所有するボドリアン図書館の図書館司書を、1882年から1912年にかけて務め、「Phi Collection」と呼ばれる性的病理について記した本とエロ本を収蔵する分類を作りました。

学生が「Phi Collection」に分類された本を利用するためには、まず指導教員に対象図書を借り出す許可を取る必要があったとのこと。近年ではほとんどの図書は通常の棚に戻されているとのことですが、ポルノ雑誌の「Razzle」を分類する目的などで、いまだに「Phi Collection」のマークは利用されているそうです。

by kattebelletje

◆ワイドナー記念図書館の「XRコレクション」
ハーバード大学の主要図書館であるワイドナー記念図書館には、図書館の地下にある銅製の扉に隠された「XRコレクション」という秘密のコレクションが存在しています。しかし、これについては検閲目的で隔離されたというわけではなく、「所蔵されているポルノ雑誌が破損していることが多くて困る」という社会学教授の訴えにより、学術目的に利用するポルノ図書を一般学生から隔離する目的で、1950年代に作られたコレクションだったとのこと。

近年では新たな図書が追加されることはなくなっていますが、わざわざ隔離された図書を一般図書に戻そうとする人物が現れないため、いまだに図書館の地下の奥深く、隔離された場所にXRコレクションは所蔵されています。

by Will Hart

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in メモ, Posted by log1h_ik

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