超万能マルチツールナイフを製造する「レザーマン」の創業秘話とは？

アメリカのナイフメーカーであるレザーマンは、プライヤやナイフなどの機能が一体となったマルチツールを製造するメーカーです。ポケットに1個入れておけば日常生活やアウトドアのさまざまな場面に対応できてしまう超万能ツールとして、レザーマンのマルチツールは世界中で親しまれています。そんなマルチツールが、一体どのようにして生み出されたのかをドキュメンタリー形式で振り返るムービーがYouTubeで公開されています。

Made of Mettle: The Leatherman Documentary


レザーマンの共同創業者であるティム・レザーマン氏とスティーブ・ベルリナー氏の出会いは、卓球場だったとのこと。

2人はすぐに意気投合したそうで、ベルリナー氏はレザーマン氏のことを「非常に几帳面な性格で、信頼に足る人物だと思った」と述べています。

レザーマン氏がマルチツールを作り出すにあたって重要な役割を果たしたのが、妻であるチョウさん。

「彼女と出会ったのも卓球場でした。彼女はとても魅力的で、なんとかして気を引こうと頑張りました」とレザーマン氏は笑いながら回想します。

2人は結婚し、1975年に新婚旅行でヨーロッパへと旅行しました。

オランダで車を借り、2人でさまざまな場所へ向かったそうです。

しかし、その時に借りたフィアット・600は……

残念ながらよく故障したそうです。

フィアットが故障するたびにレザーマン氏がリアエンジンの修理を行いましたが……

その時、ポケットナイフとプライヤーが非常に活躍したとのこと。

そこで、レザーマン氏は「ポケットナイフとプライヤーが一体になったツールがあれば、とても便利なのではないか？」と考えました。

レザーマン氏はそのアイデアをメモに書き留め、旅行から戻った後で自分で作ってみようと試みたそうです。

設計図をもとにプロトタイプの製作をスタートしたレザーマン氏は……

3年間、ガレージの中でプロトタイプの製作に打ち込みました。

しかし、30歳の誕生日には「自分の人生を3年も費やしたのに、いまだに何一つ達成できていない」と焦りを感じるようになります。

しかし、その後もレザーマン氏は諦めることなく製作を続けました。

妻のチョウさんは「いつか必ず夫はツールを完成させ、やがて販売に乗り出せるだろう」と信じて、忍耐強くレザーマン氏をサポートしたとのこと。

そしてついにレザーマン氏は最初のマルチツールを完成させることに成功。

プロモーションビデオを作成し、「Mr.クランチ」と名付けた最初のツールを販売しようと試みました。Mr.クランチは手のひらサイズでありながら……

開くと大きめのプライヤーが登場します。

持ち手の部分からポケットナイフが飛び出るなど、すでに多くの機能を備えていたことがわかります。

1980年に特許を取得したレザーマン氏は、多くの企業に売り込みをかけますが……

500以上の企業に契約を断られてしまったとのこと。

そんな厳しい状況にあったレザーマン氏と出会ったのが、レザーマンの共同創業者であるベルリナー氏でした。

ベルリナー氏はレザーマン氏が開発したツールがとても素晴らしいものだと確信しており、「失敗するとはまったく思いませんでした」と語っています。

ベルリナー氏の熱心な売り込みの結果、構想から8年をかけてようやく最初の契約を結ぶことができます。この時の販売数は500個、売上金額は1万2000ドル(約150万円)でした。

その後、レザーマンのツールは爆発的な人気となり、アメリカだけでなく世界中で販売されるようになります。プライヤーのハンドルからさまざまなツールが飛び出すレザーマンのマルチツールは、1本あれば家庭での大工作業やアウトドアなど、さまざまな場面で使用可能。

レザーマンは400人以上の従業員を抱えるまでに成長しました。

1983年に最初のツールを販売して以来……

レザーマンでは30以上のモデルを開発しているとのこと。

何度も失敗を積み重ねてきたレザーマン氏でしたが、忍耐強さが成功につながったと語りました。