猛暑に打ち勝つための10の方法
by Yoann Boyer
記録的な猛暑により熱中症死が続出するなど、高温多湿な日本の夏への対処法が問われていますが、そんな時に役立ちそうな「猛暑に打ち勝つための10の方法」をThe Guardianがピックアップしています。
Meltdown! Ten ways to beat the heat | Life and style | The Guardian
https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2018/jul/24/10-ways-beat-heat-hottest-week-exercise-sleep-talk
◆1:涼しい土地へ逃げる
日本各地で40度超の気温が記録されるなど、猛暑日が続く日本。カリフォルニアでは52度、北極圏でも30度超を記録するなど、世界各地で記録的な暑さが観測されています。一方で、イギリスのウェールズやスコットランドでは快適な気温が観測されており、18度以上の気温が観測されていないシェトランド諸島やラーウィックといった土地もあるため、あまりにも暑い夏にうんざりしている場合はこういった避暑地へ逃げることがオススメされています。
by Johny Goerend
◆2:暑い夏の夜に快適に眠るための方法
ラフバラー大学のジョージ・ハブニス教授が「睡眠時間が減ると、人間の熱に対処する能力に影響が及ぶ可能性がある」と語っているように、寝不足は暑い夏を乗り切るための天敵といえます。そんな夏に快適な睡眠をとるための方法として、日中に室内の温度が上がりすぎないように、18時まではカーテンを閉じておくことをハブニス教授は推奨しています。そして、18時以降にすべての窓を開けて、室内を一度冷やします。2階建て以上の場合は上の階が暑くなるので、下の階で寝る方が快適になるかもしれない、とのことです。
by Annie Spratt
◆3:日差しから肌を守る
北アイルランドでは夏の日差しを侮る人が多く、なんと2カ月で220人もの人々が日焼けで病院で治療を受けています。そんな日差しの強い日への対策として最良なものは日陰です。日焼け止めも対策として有効なものですが、正しく使用する必要があります。
Royal College of General Practitionersのカミラ・ホーソン教授は、大人の場合は「腕と脚にティースプーン1杯分(両手両足で4つ分)、体の前面・背中・顔と首にもそれぞれティースプーンを1杯分ずつ塗ること」をオススメしています。
ただし、日焼け止めは損傷を遅くするだけであり、日焼け止めを塗っていない皮膚が10分で日焼けするなら、日焼け止めを塗ることで日焼けにかかる時間が300分に延びただけとのことで、日焼け止めは塗り続ける必要があるとのことです。
by Jordan Stewart
◆4:猛暑と子育て
ホーソン教授は「子どもを太陽の下に放置してはいけない」と警告しています。子どもの肌は非常に敏感であり、赤ちゃんは特に簡単に皮膚をやけどしてしまうとのこと。よって、夏は子どもを屋内もしくは日陰で遊ばせる必要があります。また、帽子をかぶせたり、特に日差しの強い11~15時の時間帯を避けるなどすることも重要です。加えて、子どもたちがのどが乾いたと感じる時だけでなく、定期的かつ頻繁に水分を摂取する必要があるとホーソン教授は語っています。
by MI PHAM
◆5:夏の運動を見直す
2013年に夏のトレーニング中に3人の兵士が死亡したように、暑い夏の運動は、若くて体力のある人にとっても危険なものです。ハブニス教授は、「早朝や夕方など、涼しい時間帯にのみ運動を行ってください。運動後は水分補給をしっかりと行ってください。また、夏の太陽の下で1時間のランニングを行う必要がある場合は、これが本当に危険なものであることをしっかり自覚して行ってください」と語っています。
熱による疲労が蓄積されると、発汗や血流といった機能に障害が出るようになり、気分が悪くなります。これらのダメージが継続すると熱中症となるわけですが、健康状態が悪化している人の場合、熱中症と診断される前の段階であっても死に至る可能性が十分にあるそうです。
by Jeremy Lapak
◆6:空調を最大限に活用する
イギリスでは家にエアコンがある家庭が少ないとのこと。そんな時に役立つのが冷たいシャワーを浴びることです。ハブニス教授は「冷たいシャワーを浴びれば1~2時間程度は涼むことができます。また、濡れタオルを首にかけることもオススメです」と語っています。しかし、これらにより大きな効果を得られるとは考えないで、と語っており、あくまでベストはエアコンなどの冷房機器を使用することだとしています。
◆7:扇風機を賢く使用
ハブニス教授は扇風機を賢く使用する方法として、「冷たい空気を部屋に引き込むこと」を挙げています。特に夜間は外気が冷たくなるので、屋外から屋内に吹き込む風がない場合は、窓のそばに扇風機を置くことを推奨しています。そのほか、扇風機を回すことで空気を循環させることで部屋全体をクールダウンさせることが可能です。なお、手っ取り早く体を冷やしたい場合は「濡れた衣服を着用して扇風機の前に立つこと」が挙げられています。
by Filios Sazeides
◆8:落ち着く
ポーランド大学の最近の研究によると、暑い気候はそれ自体がストレスに満ちているとのこと。実際、いくつかの文化圏では暴動が夏の風物詩となっているそうで、これは夏がストレスに満ちた季節であることを如実に示した例であるといえます。自身のイライラを落ち着かせるためにカモメを殺した身元不明の男性がいたそうですが、これは良い考えではありません。代案としてThe Guardianが挙げているのが「蚊を殺すこと」で、これは完全に合法であり、「事実上公共サービスのようなものだ」と記しています。
by Daniel Páscoa
◆9:年配者に配慮する
2003年8月の熱波でフランスでは約1万5000人が死亡しました。このほとんどが高齢者だったそうで、暑い夏は年配者に気を配る必要があるとThe Guardianは主張しています。
人間は年をとるにつれ、体の温度を検出・反応する能力を失います。そのため、「熱にすぐ反応することができない」とハブニス教授。また、年配者は若者に比べて汗をかく量が少ないので、喉の渇きを感じづらく、そのため脱水しがちになるとのこと。要するに、高齢者は気分が悪くなる前に既に危険な状態になっている可能性があるということで、身近で見守る人が必要というわけ。
by Alex Harvey
◆10:他の話題をする
猛暑に気温に関する話をすることは、暑さを強調することはあっても涼しくなることにないということで、別の話題をすることが推奨されています。
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