サイエンス

気候変動から人類を救えるかどうかは次の3年が勝負だと専門家らが警告

by Nattu

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局長のChristiana Figueres氏や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のHans Joachim Schellnhuber氏らが、温暖化や気候変動によって私たちの生活が深刻な影響を受けることを防ぐには、次の3年に何を行うかが非常に重要になってくると警告しました。この3年の間に問題に取り組まないと、経済に大きな打撃を与えずして人々に危険を及ぼすレベルの気候変化を防ぐことが不可能になるとして、行政・民間企業・一般市民・科学者らが一丸となることを呼びかけています。

Three years to safeguard our climate : Nature News & Comment
https://www.nature.com/news/three-years-to-safeguard-our-climate-1.22201

World has three years to save humanity from climate change, warn experts | The Independent
http://www.independent.co.uk/environment/world-climate-change-save-humanity-experts-global-warming-rising-sea-levels-food-a7813251.html

World has three years left to stop dangerous climate change, warn experts | Environment | The Guardian
https://www.theguardian.com/environment/2017/jun/28/world-has-three-years-left-to-stop-dangerous-climate-change-warn-experts

科学者たちが訴える「次の3年」というのは、パリ協定で定められた地球温暖化対策が始まる2020年までの期間を示します。アメリカのパリ協定離脱を鑑みると、「次の3年」は政治・経済的な意味でも重要ですが、物理的な意味でも重要な意味を持ちます。2017年4月に発表されたカーボントラッカーの報告によると、この3年間で二酸化炭素の排出量が上昇あるいは現状のまま横ばいであれば、2020年以降にパリ協定で定められたゴールを達成することはほぼ不可能になってしまいます。同様に、2015年に採択された持続可能な開発目標(SDGs)が実現できる可能性も小さくなってしまうとのこと。

by Erik de Haan

Figueres氏は「私たちは、2020年までに二酸化炭素排出量を下げられるかどうかを左右する戸口に立っているのです」「この挑戦は、アメリカの地方自治体や、アメリカ国外の全てのレベルの行政機関、そして個人という3つの立場が課題に対して大きな柔軟性を持って取り組む必要があります。次の3年間に私たちに与えられた機会は歴史上、類を見ないものなのです」と語りました。

また、Schellnhuber氏は「数字はとても明快です。もし世界が次の数年間に癒やされなければ、我々の怠慢によって致命的な傷を負うでしょう」と語っています。


2016年に発効したパリ協定では「産業革命前からの世界の平均気温上昇を2度より十分低く保つとともに1.5度に抑える努力を追求する」という目標が掲げられていましたが、研究によると、この「1.5度」という目標は既に達成できないと予測されています。それどころか、「2度」という目標を実現できるかどうかというのも疑わしいレベルとのこと。

以下のグラフが示すように、2016年をピークとして二酸化炭素の排出量が減っていけば、経済に与える影響を最小限に25年かけて二酸化炭素排出をゼロにしていくことが可能と推測されていました。しかし、二酸化炭素排出量が2025年まで増加し続けてしまう場合、大きな経済的損失を生み出さなければ短期間で排出量を下げることは不可能になってしまうとされています。この「経済に打撃を与えることなく二酸化炭素排出量をゼロにしていくことができる」分岐点が「2020年」であり、今後3年の取り組みで現在横ばい状態にある排出量を下げることができれば、経済的打撃を受けずに気候変動問題に対処できるというわけです。


石炭燃料の使用量は中国・インド・アメリカなどでも少なくなっていることが確認されており、テクノロジーの進歩によって、二酸化炭素の排出量を永久的に減らす仕組みの土台が作られることで、これまで上昇傾向にあった二酸化炭素排出量は減少傾向にあるということを研究者は指摘。

2014年から2016年にかけて、地球の気温は3年連続で史上最高を記録しましたが、一方で、この3年間二酸化炭素の排出量は横ばいとなっており、数十年にわたって二酸化炭素レベルが上昇し続けていたことを考えると、各国の取り組みが成功した結果だと言えます。

地球の気温が3年連続で史上最高を記録したと明らかに - GIGAZINE


加えて、また、ランカスター大学のGail Whiteman教授は「科学は我々の挑戦の緊急性について強調していますが、それと等しく重要なのは経済・技術・社会的な分析が、我々がこの挑戦を集団的に乗り切れると示していることです」と語っています。

過去2世紀に排出された温室効果ガスはゆっくりと地球環境に影響を与えましたが、これから起こる変化は急速なものになると見られています。「幸運にも、これまでの100年は地球の回復力が高く、我々の虐待行為を和らげてくれていました。しかし、私たちは今時代の終わりに到達しています。地球規模の二酸化炭素排出量を迅速に減らし、手に負えない結果を避けなければなりません」というのはストックホルム・レジリエンス・センターの環境学者Johan Rockstrom氏の言葉。

研究者らは行政機関や民間企業のリーダーたちに「不可能は存在しません。姿勢の問題なのです」と呼びかけ、「アメリカなくしてもパリ協定の目標を達成できるように、二酸化炭素排出問題に取り組み続けましょう」と語りました。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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