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Facebookが特定の宗教や人種の人を広告の対象から除外することを禁止

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Facebookのターゲット広告は、ユーザーの情報や行動をもとに最適な広告をFacebookのユーザー画面に表示するシステムです。SNSでユニクロについての発言をした直後にユニクロの広告が表示されたり、薬局で買い物をしたら薬の広告が表示されたりするなど、あまりの精度に「Facebookはユーザーを盗聴しているのでは?」という疑念を持つ人も少なくありません。Facebookは、そのようなターゲット広告を一時的に停止することを発表しました。

Facebook to end ad targeting that excludes ethnicities and religions in deal with Washington State AG – GeekWire
https://www.geekwire.com/2018/facebook-end-ad-targeting-excludes-ethnicities-religions-deal-washington-state-ag/

Facebookでは、ユーザーの属性に応じた広告を表示することをビジネスモデルとしており、特定の年齢層や性別、行動にもとづいて関心がありそうな広告を表示させてきました。しかし、以前よりターゲット広告については多くの議論が行われており、「ユーザーの年齢によって表示される求人広告が制限されるのは、法律で禁じられているはずだ」といった非難が浴びせられていました。

「若者にターゲットを絞った求人広告を表示している」としてFacebookを活用した求人広告を問題視する見方が広がる


ターゲット広告では、広告主が「この広告はどういうターゲットに表示させたいか」を設定できます。設定できるターゲットは年齢的なものだけでなく、「黒人やヒスパニック系には表示されないようにする」といった、人種的なものや宗教的なターゲットも設定できるとのこと。

ワシントン州の司法長官であるボブ・ファーガソン氏は、かつて「トランプ大統領の入国禁止令は違憲だ」と主張して提訴すると発表するなど、非常に活発に司法活動を行う人物です。そんなファーガソン氏は、「Facebookのターゲット広告は人種・性的指向・障害・宗教にもとづく差別を許している。これは不平等で間違った行為であり、違法だ」と述べて、Facebookを激しく非難していました。

そんな中、ファーガソン氏とFacebookは「90日間にわたって住宅・求人・保険・公共施設などの広告について、人種・宗教・性的指向にもとづくターゲット設定する能力を広告主から削除する」ことで和解しました。この合意にもとづき、Facebookのターゲット広告からは90日間、差別的な要素によってターゲットが狙い撃ちされることはなくなります。

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なお、ファーガソン氏は「Facebookのターゲット広告は違法」と主張していますが、Facebook側は「広告プラットフォームは全ての適用法を守っている」として、違法ではないと語っています。

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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