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Googleが市場操作をしたという疑惑の「プロジェクト・バーナンキ」にさらなる調査が求められる


独占禁止法違反で調査が進んでいるGoogleの広告事業について、エリザベス・ウォーレン上院議員が新たに、デリバティブ取引全般を規制する米商品先物取引委員会(CFTC)の調査を求めたことが判明しました。

The Technology 202: Elizabeth Warren calls on watchdog to probe Google for alleged advertising abuses - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/politics/2021/06/30/technology-202-elizabeth-warren-calls-watchdog-probe-google-alleged-advertising-abuses/

Sen. Warren calls for investigation of Google’s ‘Project Bernanke’ - The Verge
https://www.theverge.com/2021/6/30/22557314/warren-google-project-bernanke-cftc-digital-ad-regulator


Googleは広告の買い手である広告主に対し、広告出稿サービス「Google広告」を運営しつつ、広告の売り手であるパブリッシャー向けの取引所「Ad Exchange」を運営しており、「売り手のオペレーターでありながら買い手の代表でもある」という立ち位置にいます。2020年12月にテキサス州の司法当局は、Googleがこの2つの立場を利用して広告価格をつり上げたとして訴訟を起こしました。

訴訟の中で明らかになったのは、Googleが秘密裏に運用していたとされる「プロジェクト・バーナンキ」の存在。プロジェクト・バーナンキは、過去に行われたGoogle広告のオークションの入札履歴から学び、最適な入札額をクライアントに提示して、自社の広告購入システムに優位性を与えるというものです。テキサス州司法当局はGoogleの内部文書を引用し、「Googleはプロジェクト・バーナンキによって2013年だけで2億3000万ドル(約252億円)を稼いだ」と主張。事態を報じたウォール・ストリート・ジャーナルはこれが「デジタル広告における事実上のインサイダー取引に相当する」と記しました。

Googleの「秘密プログラム」の存在が独占禁止法訴訟の中で明らかに - GIGAZINE


2021年6月30日、エリザベス・ウォーレン上院議員が米商品先物取引委員会(CFTC)に宛てた手紙の中で、Googleによるオンライン広告の価格操作について調査を求めたことがわかりました。ウォーレン上院議員は特にプロジェクト・バーナンキについて「独占禁止法違反の調査を進める中で、この活動がCFTCの管轄内であり、綿密な調査が必要であるという懸念が生じました」「Googleのような企業がオンライン広告市場を操作する力について考えると、新しいデジタル商品が有害な操作なしに公平に取引されていることを、CFTCが保証することは重要です」と述べました。

一方、Googleの広報担当者は、広告の価格が操作されたという懸念は製品に対する誤解に基づいており、Googleの行動は「広告主の入札を最適化する」ものだと主張しています。「これは、Ad Exchangeに参加している全ての購入者が利用できるデータと戦略を利用して、広告購入者のために実装されました」「競争が激しい他のビジネスと同様に、私たちは常にプロダクトを改善し、競争を効果的にすべく取り組んでいます」と広報担当者はコメントしました。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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