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ガールスカウトで鍵のピッキングやPCのハッキング技術を学ぶカリキュラムが話題に


ガールスカウトは「人種・国籍・宗教の差別なく、健全かつ幸福で社会に貢献する女性の育成」を目的とする団体で、全世界の女子にさまざまなレクリエーション・技術・イベントを提供しています。ガールスカウトのカリキュラムの一環として提供されている、「サイバーキャンプ」と呼ばれる、鍵の解錠技術やPCのハッキング技術を学べるレクリエーション・プログラムがアメリカで注目を集めています。

Why the Girl Scouts Are Learning to Pick Locks and Hack Computers
https://www.popularmechanics.com/technology/security/a21986403/girl-scouts-pick-locks-hacking/


ガールスカウトは女性の社会進出・自立した女性の育成という目標を掲げていて、アメリカでは、ガールスカウトアメリカ連盟には約400万人近いメンバーが所属しています。ガールスカウトでは、救急時の対応レクリエーションや、ガールスカウトが自分でクッキーを焼いてその売り上げを募金するという年に1度の「クッキーセール」など、さまざまなレクリエーションが行われています。

その中で、ピッキングインストラクターのケリー・ロビンソン氏がコリン大学で主催している「サイバーキャンプ」が、アメリカ中から注目を集めています。ロビンソン氏のカリキュラムでは、南京錠やドアのシリンダー、手錠などを解錠するという実用的なピッキングスキルを学ぶことができます。


サイバーキャンプ・カリキュラムをデザインし、市からセキュリティ業務を請け負っているコリン大学教授のウィリアム・ホイットニー氏は、サイバーキャンプでハッキング技術をガールスカウトたちに教えています。ホイットニー氏がサイバーキャンプで行うカリキュラムでは、電気の理論を学んだ上で、コンピューターのハードウェアやその配線に手を加えていく方法を教わります。スカウトたちは「サイバーキャンプに来ればすぐにハッキング技術を学べると思った」といいますが、ホイットニー氏は「コンピューターの構造そのものを知らなければ、ハッキングをすることはできません」と語ります。

さらにガールスカウトたちは、Kali Linuxの侵入テストソフトウェアを使って、カリキュラム用に構築された小さいネットワーク内でハッキング技術を学びます。カリキュラムを受講するガールスカウトたちはノートPCから中央サーバーに出入りを行うことで、クラッキングはどういう手口を用いるのか、そしてどうやってクラッキングに対抗するかを学びます。


1週間のガールスカウト向けのサイバーキャンプはアメリカでも初めての取り組みで、このサイバーキャンプをクリアすることで、ガールスカウトの本部からグレード別にサイバーセキュリティのバッジが贈られるとのこと。ロビンソン氏は「ガールスカウトのような若い女性にも科学や工学の分野でもリードする存在になれるんだということを私は示してあげたいのです。それはコンピューターの前に座っているだけでは成し遂げることができません」と語っています。


鍵を開けたり、正しくハックするには、力任せにやるのではなく、繊細なテクニックを必要とします。また、鍵のピッキングやハッキングは有効活用することもできれば、悪用することもできます。もちろん、サイバーキャンプでは、参加者は自分のもの以外の鍵を開けてはいけないと厳しく教えられます。さらに、他人のコンピュータのセキュリティを悪意で破るようなクラッカーから人びとを守るためにハッキングのスキルを使うべきだと、倫理的な部分もサイバーキャンプで教わります。ガールスカウトたちにとって重要なことは「サイバーキャンプで得たピッキングやハッキング技術を将来のキャリアにどう生かしていくか」ということだとロビンソン氏はコメントしています。

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in メモ,   セキュリティ, Posted by log1i_yk

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