Appleは「マップ」の品質向上のためにドローンの空撮を活用する方針
By C.C. Chapman
2018年5月9日にAppleを含む10社に対し、アメリカ国内でFAA(連邦航空局)が定めている規制外区域でのドローンの飛行許可が、アメリカ合衆国運輸省から与えられました。Appleはこの許可をもとに、ドローンを使って市街地の各種データを取得して「マップ」機能の品質向上に役立てる方針を明らかにしています。
Apple confirms use of drones to improve Apple Maps, says privacy remains a priority | 9to5Mac
https://9to5mac.com/2018/05/09/apple-use-drones-to-improve-apple-maps/
この特別許可は、無人航空機の活用を目指すことを目的に試験的にFAAの規制を免除することを認めるもの。今回は10社が許可を得ており、その中にはAppleをはじめAlphabet傘下のProject Wingや通信企業のAT&T Inc、Intel、Airbus SEなどが含まれています。許可を得るためには事前に申請が必要となっており、149件の応募があったとのことですが、同じく申請を行っていたAmazonやドローンメーカーのDJIは許可を得た10社には含まれていません。
U.S. drone program taps Alphabet, passes over Amazon, China's DJI | Reuters
https://www.reuters.com/article/us-usa-drones-companies/u-s-drone-program-taps-alphabet-passes-over-amazon-chinas-dji-idUSKBN1IA2WC
この許可を受けたAppleは、ドローンを使って市街地の様子を撮影して「マップ」の品質向上を図ることをロイターに対して明らかにしています。これまで、Googleマップなどのオンライン地図サービスでは人工衛星や航空機を使った空撮画像をサービス内に取り入れてきましたが、Appleはドローンを使った空撮画像を活用する方針である模様です。
これは、Appleがこれまでに進めてきた取り組みとも合致する内容。過去に報じられた内容では、画像データの活用に加え、新設された道路や工事などの情報を更新するという方針も含まれていました。
Appleが打倒Googleマップに向けてドローンを駆使して公式地図アプリを改善する可能性 - GIGAZINE
従来の航空機では不可能だった低空を飛行できるドローンを使うことで、より高精細な市街地などの画像データが利用できる可能性がある一方で、プライバシーに関する問題も無視することはできなくなってきます。Appleもこの点に関しては留意している模様で、「Appleは人々のプライバシーを守ることにコミットしており、顔や自動車のナンバプレートにボカシを入れてから画像を公開するという処理などを行います」と方針を表明しています。
従来の衛星画像も定期的に更新が行われていますが、ドローンを使うことにより、よりリアルタイム性の高い情報の提供につながることが期待されます。Appleではすでにアメリカのノースカロライナ州でも同様の許可を得ており、今後はアメリカ全土、さらには世界各地でも同様の取り組みが行われるのか、気になるところです。
By arbitragery
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