メモ

遠隔操作で空を飛ぶ無人偵察機に罰金を課したところ操縦者が思わぬ反撃を繰り出し空のルールが変更されるおそれ

By Jamie McCaffrey

ラジコン飛行機にカメラを装着して映し出される空中の映像をもとに地上から遠隔操縦する「Drone(ドローン)」が愛好家の間で流行しています。しかし、空中を無秩序に乱舞するドローンの数が増え、見るに見かねたアメリカの連邦航空局(FAA)が操縦者に罰金を課したところ、思わぬ"反撃"を受けることに。空のルールをめぐって起きている一波乱とはどのようなものでしょうか。

Drone Pilot Fights for Right to Profit in the Unmanned Skies | Threat Level | Wired.com
http://www.wired.com/threatlevel/2013/10/drones-at-a-crossroads/

Remote aircraft pilot fights $10,000 FAA fine, could change drone rules | The Verge
http://www.theverge.com/2013/10/9/4821094/remote-aircraft-pilot-fights-faa-fine-could-change-drone-rules

2013年初頭、連邦航空局(FAA)は、ラファエル・パーカー氏に1万ドル(約98万円)の支払命令を出しました。これは、2011年10月17日にパーカー氏がバージニア大学のキャンパス内をドローンを用いて空撮した行為が、人の生命と財産を脅かしたというのがその理由でした。パーカー氏がドローンで行っていた操縦・撮影がどんなものかその内容は以下のムービーを見れば分かります。

New York City - YouTube


ニューヨーク上空を飛ぶドローン。


高層ビルをなめるように落下。


下を走る自動車を眺めつつ橋を落下。


前方に見えるのは自由の女神。


ご挨拶に接近。自由の女神もびっくりの自由っぷりです。


ドローン愛好家サークル内で「Trappy」という異名で知られるパーカー氏は、リオデジャネイロで劇的な映像を撮影したことで一躍その名を知られるようになり、ニューヨーク、サンフランシスコなどさまざまな都市でも過去に似たようなビデオを撮影していました。今回、罰金の原因となったフライトは広告会社から依頼されて撮影したものでしたが、撮影された映像には、大学の校舎すれすれまで接近したり、走行する自動車のすぐ上を飛行してトンネルをくぐったり、歩行者のすぐ横を低空飛行する様子が映し出されていました。

ところが、パーカー氏はFAAによって出された処分を不服として徹底的に争う姿勢を見せています。パーカー氏は、今回FAAが罰金の法的根拠とする2011年に出された飛行に関するガイドライン(飛行禁止規定)には手続的な瑕疵(かし)があり無効であると主張しています。パーカー氏の代理人である弁護士は、模型飛行機の操縦を規制できる連邦規則はないとした上で「公共の利益に重大な影響を与える規則をつくる場合には必ず公聴会を開催する必要があるところ、2011年にFAAは飛行禁止規定を発令する前にこの手続きを怠っていた不備があり、このためそもそも禁止規定自体が無効です」と語っています。

ドローンを操縦するパーカー氏。


2007年にFAAがドローンの飛行禁止規定を作るまでは、ドローンのような模型飛行機を捕捉する規定はなく、任意にその遵守を求める安全基準があるだけでした。しかし、FAAは無線カメラの進歩によって次々に空にやってくるドローンに歯止めをかけようと、より広範な文言で飛行を禁止する規定を設けたのですが、その手続きには不手際があったということです。このためFAAは新たな規則の策定を急いでいるものの、2015年まではグレーな状態が続くだろうと関係者は見ています。

ドローンシステム協会のロビイストは、FAAの飛行禁止規定のせいでアメリカは何十億ドルも損失を被っていると話します。協会が出す報告書「アメリカにおける無人システムの経済的影響」によれば、ドローン産業は、今後3年間に7万人の新規雇用を創出し、経済規模は2015年から2025年までの間に821億ドル(約8兆円)になると予想されています。また、空中から迫力ある映像を撮影できるドローンは、映画製作者にとっても非常に魅力的なツールであることからアメリカ映画協会も規制の緩和を熱望しているということです。FAAとパーカー氏の法廷闘争は、現在、国家輸送安全委員会へ持ち込まれ裁定を待っている状態ですが、アメリカの空をドローンが飛行できるかどうかの行方を握る闘いとして、世界中のドローン愛好家の注目を集めているようです。

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in メモ,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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