Googleが「忘れられる権利」の裁判で敗訴、今後の検索ビジネスを困難にする先例になる可能性


忘れられる権利」の行使により過去の犯罪報道に関する検索結果の削除を求められていたGoogleが、イギリスの裁判で敗訴しました。しかし、一連の裁判では検索結果の削除が認められた人と認められなかった人が現れており、忘れられる権利の行使の正当性の判断に、今後、Googleは悩まされる可能性があります。

Google loses 'right to be forgotten' case - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-43752344

過去に有罪判決を受け刑を償った者がGoogleに対してニュース記事へのリンクを含む検索結果の消去を求めていたイギリスの裁判で、裁判所が男性の訴えを認めました。マーク・ウォズビー裁判官は、10年前に通信傍受を共謀した罪で有罪判決を受け、10カ月間服役した男性の請求を認めて、Googleに対してこの男性の犯罪に関する検索結果の削除を命じました。

他方で、10年以上前に銀行口座を不正に取得した罪で4年間服役した男性については、検索結果削除の訴えを認めませんでした。忘れられる権利の行使も公共の福祉による制限を受ける場合があり、依然として検索結果の表示の公益性が上回ると認められる場合は検索結果削除の申し出を拒否できますが、この男性の人権を制約したとしても公益性が大であると判断されたようです。


ウォズビー判事は判決理由において、検索結果削除の訴えを認めた男性について「反省していることが認められる」と述べ、犯罪の重大性という客観的事実だけでなく請求者の主観や現在の状況についても考慮しています。しかし、このような要件が忘れられる権利の行使の是非の判断に含まれるとすれば、Googleが検索結果削除請求者の主観を判断することは困難であることから、今後の請求に対する処理が極めて困難になりかねないという懸念も上がっています。

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