メモ

Google検索の関連キーワードやオートコンプリートで性犯罪被害者の実名がさらされる不都合


性犯罪の被害者の実名などセンシティブな情報は、プライバシーに配慮した取り扱いが求められます。しかし、Google検索に採用されている「オートコンプリート」「関連キーワード」などのユーザー補助機能によって、意図しない形でレイプ被害者の実名が漏れ出てしまっているという指摘があります。

Google ‘identifies rape victims’ | News | The Times
https://www.thetimes.co.uk/article/google-identifies-rape-victims-k9slpxmns

Google検索では、ユーザーの検索の利便性を高める機能として、文字入力の途中で予想される検索フレーズを補完する「オートコンプリート」や、関連性が高いと考えられるフレーズを提案する「関連キーワード」などが採用されています。


ユーザーの意図をくみとって自動的に検索対象を絞ってくれるため便利な機能ですが、The Timesによるとレイプされた人など性犯罪の被害者の実名が、オートコンプリート機能などによって自動的に表示されるという不具合が生じているそうです。

検証実験では、検索結果に影響が出ないように検索履歴がまったくない複数台の端末を用意した上でGoogle検索が行われました。すると、ある婦女暴行事件の被告人の名前とともに一般的な検索フレーズを入力すると、オートコンプリートの最後の候補に被害者の女性の名前が表示されたとのこと。また、被告人の名前と簡単な単語を入力することで、被害者の名前と出身地が表示されるケースや、被害者の名前を検索するとレイプ犯の名前が関連キーワードに現れるケースもあったそうです。

また、性犯罪以外でも、ある暴力犯罪事件を検索するため必要な単語を入力すると、匿名で報道されているはずの被告人の名前や出身地が関連キーワードとして表示されることも確認されています。実験の後、The TimesはGoogleに対して、実名が表示される旨の報告を行ったそうです。


イギリスでは性犯罪の被害者、18歳未満の刑事被告人、家庭裁判所で争われる事件の被害者など広範な範囲で匿名性(名前を公表されない権利)が保障されています。例えば、性犯罪事案において被害を主張する人は、たとえ被告人が無罪判決を受けた場合であっても生涯にわたって匿名性が与えられ、この匿名性を侵害する行為は犯罪になり最大5000ポンド(約75万円)の罰金が科せられています。

とはいえ、SNSやブログなどで個人がインターネット上に匿名性が保障された人物の名前を書き込む行為を完全に止めることはできないため、ネット上に現れた実名などは削除依頼に基づいて検索結果から除外されることが多いものです。しかし、これまで削除依頼の対象となっていなかったGoogleのオートコンプリートや関連キーワードでは、アルゴリズムによるプライバシーへの配慮が足りておらず、思わぬ形で犯罪被害者や被告人の実名などの個人情報が表示されているようです。

Googleの検索機能によって思わぬ形で実名などが表示されているという指摘を受けて、Googleの広報担当者は「Googleは法律やGoogle独自のポリシーに違反するオートコンプリート機能や関連検索機能を決して許容しておらず、判明したケースについては削除処理を行いました。また、暴力や残虐な犯罪の被害者を予測機能がカバーしてしまうのを防ぐため、除外ポリシーを拡張しました。予測機能による不都合に気づいた場合、ぜひ情報を寄せていただきたいと思います」と述べ、対策に乗り出していることを明らかにしています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
女性がアダルトビデオに出演経験があるかどうかをSNSにアップした写真から「顔認識」で特定 - GIGAZINE

Googleの「忘れられる権利」を行使した人・該当ページを公開するサイトが出現 - GIGAZINE

Googleが「著作権侵害対策」でメディアプレイヤー「Kodi」をオートコンプリート候補から削除か - GIGAZINE

ネット上であなたのプライバシーを守る簡単な6つの改善案 - GIGAZINE

相手の名前や住所から過去の犯罪歴を検索できる「Criminal Searches」 - GIGAZINE

世界初の「フェイクニュース処罰法」施行、有罪判決第1号はなんとマレーシアへの外国人旅行者 - GIGAZINE

「児童ポルノを検出するAI」で警察をトラウマから救う計画が進行中 - GIGAZINE

Googleは1年間で3億4500万件もの著作権侵害リンクを受理、日本からはDMM.comがトップ10入り - GIGAZINE

in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.