「チアリーダーはスウェットで出歩くべからず」などNFLチームのチアリーダーに定められた厳しいルールの数々

by AJ Guel

アメリカでナンバーワンの人気を誇るスポーツ「NFL」の見どころといえば、トップアスリート達がみせるスピードと激しいぶつかり合い、巧みなボールコントロール技術、コーチらによる巧みな戦術展開などさまざまですが、サイドラインで試合に華を添えるチアリーダーの存在も欠かせません。試合中、笑顔で選手を応援し会場を盛り上げるNFLチアリーダーたちですが、その華やかさとは裏腹に想像以上に厳しいルールの数々が定められています。

No Sweatpants in Public: Inside the Rule Books for N.F.L. Cheerleaders - The New York Times
https://www.nytimes.com/2018/04/02/sports/nfl-cheerleaders.html

NFLに所属するカロライナ・パンサーズを応援する公式チアリーディングチームTopCatsは、試合開始の少なくとも5時間前には会場に到着し、体に着けたピアスを外し、入れ墨を隠すなどの準備を行う必要があります。そして試合が始まれば、水分補給できるのはカロライナ・パンサーズの選手が反則を犯した場合のみで、それ以外のタイミングでは常に応援を行う必要があるとのこと。そして、TopCatsのメンバーは試合会場を離れる際は必ず私服に着替えなければいけません。

Highlights: TopCats Cheerleaders - YouTube


2009年のハンドブックによると、ボルチモア・レイブンズの公式チアリーダーは定期的に体重を測定されており、その理由は「理想的な体重を維持するため」です。近年のシンシナティ・ベンガルズの公式チアリーダーはより厳格な体重管理が課せられており、理想の体重からわずか3ポンド(約1.4kg)の増減しか許されていない模様。


さらに、NFLチアリーダーの中には応援時に着用する制服のために、自身の受け取る賃金以上のお金を支払わなければいけないチームもあります。また、NFLチアリーダーは抽選券やカレンダーを販売し、チャリティーイベントやゴルフトーナメントに出品することがありますが、これらのグッズによる収益は一切得られません。New York Timesが入手したNFLチアリーダーハンドブックには、シェービング技術の解説やタンポンの適切な使用法など、個人衛生に関するものも多く含まれているとのこと。そして、チームの中には公共の場でのスウェットパンツの着用を禁じているところもあります。

日本人の松崎美奈子さんがチアリーダーを務めたことで話題となったニューオーリンズ・セインツのチアリーディングチームでは、時代遅れとも感じられる厳格なルールが存在します。ニューオーリンズ・セインツはチアリーダーとして働く女性たちの「仕事外の時間」に至るまでコントロールしようとしており、ソーシャルメディア活動を制限し、社交的な交流についても制限しようとするそうです。さらに、チアリーダーはマニキュアや身につける装飾品に至るまで制限されるとのこと。


そんな不当にも思える厳格なルールの数々に嫌気が差した元NFLチアリーダーのベイリー・デイビスさんは、平等雇用機会委員会に訴状を提出し、NFLチアリーダーに課せられるルールの見直しを求めています。

そもそも、NFL選手が自分自身を何らかの形で宣伝することは自由であるのに対し、チアリーダーはアルバイトとして雇用されている上に、SNSなどでの情報の発信ですらできません。NFLの中にはチアリーダーを採用していないチームも存在しますが、20以上のチームがチアリーディングチームを組織しており、それぞれがチアリーダーに対して契約書やハンドブックを用意して独自に制限を設けています。そして、ルールや規制に不平不満を言うチアリーダーは、チームにより簡単に入替えられてしまうとのことで、従業員(チアリーダー)と雇用者(NFLチーム)という関係ができあがり、チーム側が圧倒的な力を持つという構図になってしまっているとのこと。

デイビスさんと同じようにニューヨーク・ジェッツとオークランド・レイダーズを訴えた元チアリーダーのレスリー・レビーさんは、「NFLチームの意図は、職場にいない時間でも女性(チアリーダー)の行動を完全にコントロールすることです。これは権力の問題で、チアリーダー・マスコット・チームのために働く他の誰か、といったスタッフの間には明確に異なる扱いがありました。職場にいないタイミングでも雇用者がこのレベルのコントロールを発揮しようとするというのは、他の職場では考えられません」と、デイビスさんと同じようにNFLチームのチアリーダーへの過干渉を危惧しています。

なお、レビーさんの訴えにより、ニューヨーク・ジェッツはチアリーディングチームFlight Crewに対して約32万5000ドル(約3400万円)の和解金を支払うことで合意。オークランド・レイダーズはチアリーディングチームRaiderettesに125万ドル(約1億3000万円)の和解金を支払っています。


それでもチアリーダーを縛るようなルールは存在し続けています。これは、チームはチアリーダーを数十人しか雇用しないのに対して、チアリーディングチームに所属したいと願う女性が何千人もいるからです。そして、実際にNFLチアリーダーとしての経験が悪いものだったと感じる人よりも、良いものだったと感じる人の方が多いことも確かです。

NFLチアリーダーを経験したあとに不動産関連の弁護士となったフラビア・ベリスさんは、「チアリーディングは私の人生を変えました。私がNFLチアリーダーだったとき、私はメディアと話す方法から、礼拝、プロフェッショナリズムについて学ぶことができました。我々は、スタッフや選手、そしてすべてのあらゆるものとどのようにやり取りすべきかを教えられました。我々が受けたトレーニングにはすべて理由があり、振り返ってみれば正しい理由があったと思えます」とコメント。また、ほぼすべてのNFLチームのオーナーが男性ではあるものの、女性役員によりチアリーダープログラムが運営されているチームもあります。

2016年のチアリーダーハンドブックによると、サンフランシスコ・49ersのチアリーダーは、自身がチームと契約したことを明らかにすることができません。また、携帯電話のGPSをオフにする必要もあります。さらに、サンフランシスコ・49ersに限らずチアリーダーは総じて自分で衣装を身にまとった姿を写真撮影してSNSに投稿することが禁じられています。こういったルールは、単にチアリーダーをコントロールするためだけでなく、ストーカー対策のひとつであるそうで、チアリーダーをコントロールしようとするルールのすべてが悪しきものというわけではありません。

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