チャットのオープンソースプロトコル「XMPP」はなぜ普及しないのか?

By Arild
チャットツール「Slack」は、チャンネルやメンションといった仕組みで通知の範囲を比較的細かく制御できることや、豊富なBotやAPIなどによる拡張性の高さから年々利用者を増やしています。しかしSlackは2018年5月15日以降IRCやXMPPとのゲートウェイを閉鎖すると発表しており、その相互接続性が低下することが心配されています。
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XMPPとはチャットを行うためのオープンソースのプロトコルで、簡単に言うとメールの仕組みをチャットに応用したものです。電子メールは、自分でメールサーバーを立てている人もGmailやYahoo!メールを使用している人も相互に接続できますが、XMPPも同様に、異なるサービスプロバイダー間での通信ができるように設計されており、一つのアカウントで誰とでもチャットできるようになっています。SlackがXMPPゲートウェイを閉鎖するということは、XMPPを使用してSlackにアクセスすることができなくなることを意味します。
XMPPチャットアプリを開発しているJC Brandさんによると、「SlackはSlack上で行われたチャットを全て記録し、そのログへアクセスできることに課金するビジネスモデルなので、利用者が内部から履歴を引き出せないようにする必要があった」とのこと。
Slackをはじめ、FacebookメッセンジャーやChatWorkなど、さまざまなチャットツールが登場していますが、XMPPのような統一された仕様で相互に接続できるようにならない理由には資金面での問題もあります。XMPPクライアントではユーザーをロックインできず、利益につながらないという見方が大勢を占めています。それでもJC Brandさんは、「相互に運用可能であることと自由に選択できるクライアントの利便性と力を信じています」としめくくっています。
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