SpaceXがインターネット衛星の打ち上げに成功、ノーズコーンの洋上キャッチは惜しくも失敗
SpaceXが2018年2月22日に衛星を使ったインターネット通信プロジェクト「Starlink」のための衛星2基の打ち上げに成功しました。今回の打ち上げでは、すでにロケットの回収・再利用技術を衛星打ち上げにも応用しており、フェアリング(ノーズコーン)と呼ばれる高価な部品を洋上でキャッチして回収するという実験も行われています。
Recycled SpaceX rocket boosts Paz radar satellite, first Starlink testbeds into orbit – Spaceflight Now
https://spaceflightnow.com/2018/02/22/recycled-spacex-rocket-boosts-paz-radar-satellite-first-starlink-testbeds-into-orbit/
SpaceX misses catching Falcon 9 rocket fairing with a giant net on a big ship | TechCrunch
https://techcrunch.com/2018/02/22/spacex-misses-catching-falcon-9-rocket-fairing-with-a-giant-net-on-a-big-ship/
SpaceX just launched two of its space internet satellites — the first of nearly 12,000 - The Verge
https://www.theverge.com/2018/2/15/17016208/spacex-falcon-9-launch-starlink-microsat-2a-2b-paz-watch-live
PAZmissionで衛星が打ち上げられる様子は、以下のライブ配信ムービーの1時間44分ころから確認できます。
WATCH LIVE: SpaceX to Launch Falcon 9 Rocket #PAZmission @9:17am EST - YouTube
Falcon 9ロケットに積載されたのは、スペインのPAZ衛星とStarlink用の「Microsat-2a」「Microsat-2b」というインターネット衛星です。
太平洋標準時午前9時17分に打ち上げられたFlacon 9は、打ち上げから約11分でPAZ衛星やインターネット衛星を無事に切り離すことに成功しました。
衛星などのペイロードは、打ち上げ時の高熱から保護するためにノーズコーンという保護カバーで覆われます。ノーズコーンは600万ドル(約6億4000万円)と高価な部品で、Flacon 9の打ち上げコストの10%を占めているとのこと。
これまでの打ち上げでもノーズコーンは回収されてきましたが、パラシュートで洋上に落下させたものを船ですくい取っていました。今回、SpaceXは、パラシュートを使って落下してくるノーズコーンの少なくとも1つを、巨大な網を装着した船で追いかけて着水前に回収することが試みました。
SpaceXのイーロン・マスクCEOによると、残念ながら数百メートルのところでノーズコーンの船上キャッチには失敗した模様。ただし、より大きなパラシュートでもっと落下スピードを下げればキャッチできるという手応えを掴んだようです。
Missed by a few hundred meters, but fairing landed intact in water. Should be able catch it with slightly bigger chutes to slow down descent.
— Elon Musk (@elonmusk) 2018年2月22日
Starlinkによって世界中のどこでもインターネットサービスを提供できれば、SpaceXは莫大な収入を得られると考えられています。The Wall Street Journalが入手した内部資料によると、2025年に4000万人のユーザーを獲得して年間収益30億ドル(約3200億円)とSpaceXは試算しているとのこと。この収益は、「人類を火星に送りこむ」というSpaceXの究極の目標達成に活用される見込みです。
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