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空飛ぶタクシー「Vahana」が初フライトに成功、航空機メーカー・エアバス開発のeVTOL機


ヨーロッパの航空機メーカー・エアバスがアメリカのシリコンバレーに置いている前線基地「A³」(エー・キュービック)で開発を進めてきた、eVTOL(電動垂直離着陸)性能を備えた機体「Vahana」が、初めての実機テストフライトに成功したことが発表されました。今後は、実際のサービスを実現するためのより具体的な試験が行われることになっています。

Vahana, the Self-Piloted, eVTOL aircraft from A³ by Airbus, Successfully Completes First Full-Scale Test Flight A³
https://www.airbus-sv.com/press_releases/8

Airbus Vahana flying car has flown for the first time
https://www.cnbc.com/2018/02/02/airbus-vahana-flying-car-has-flown-for-the-first-time.html

Vahanaは、小型の機体に前後2枚ずつの翼を持ち、合計8セットのローターを備えた飛行機。翼は90度回転するようになっており、ヘリコプターのように垂直に離着陸し、上空では翼を寝かすことで高速飛行することが可能です。


近くに人間がいるとそのサイズ感がよくわかります。機体サイズは全長5.7メートル、全幅6.2メートル、全高2.8メートルで、離陸重量は745kg。


今回のテスト飛行は2年間の開発期間を経て初めてのフライトとなりました。フライト時間は53秒間で、機体は全自動で最大16フィート(約5メートル)の高さまで上昇を繰り返して浮かび上がることができたとのこと。


残念ながら今回のフライトがどのようなものだったかという映像は今のところ公開されていないようですが、A³が作成したコンセプトムービーでは、実際に人を乗せて「空飛ぶタクシー」として稼働しているイメージが描かれています。

Vahana - Passenger Experience on Vimeo


「空飛ぶタクシー」であるVahanaは、スマートフォンから乗車を予約することが可能。


Vahanaには街中の「Vertiport」と呼ばれる離着陸施設で乗り降りするようになっています。スマートフォンから予約を入れた女性が待っていると……


上空からVahanaがやって来ました。


ドローンのようにゆっくりと着陸するVahana。このとき8枚のローターは上を向いた状態で、ヘリコプターのように垂直に降下して着陸します。


着陸後は、胴体部分のキャノピーが開いて乗車できるようになります。


飛行ルートは、他のVahanaと飛行ルートがバッティングしないように自動で設定されます。


乗客が座席に乗り込んだら……


全自動で安全チェックが行われ、離陸の準備が進められます。Vahanaは無人で飛行する空飛ぶタクシーなので、パイロットは搭乗していません。


いざ離陸。目的地めがけて飛び立ちます。


ルート上に鳥などの障害物が現れたときにも、Vahanaが自動で検知して回避することが可能。


飛行中はローターを前に傾け、スピードを上げて目的地へと向かうように設計されています。


今回のテスト飛行では、初期テストとしての離着陸と簡単な飛行を済ませており、今後は距離の離れた2点間を移動するテストなどが行われる予定になっています。

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in 乗り物, Posted by darkhorse_log

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