取材

ロンドンの駅の時計塔には人が住んでいて部屋を間借りできたので泊まってみました


映画「ハリー・ポッター」のロケ地にもなったロンドンのセント・パンクラス駅は時計塔のある荘厳な建物なのですが、実は時計塔の中では実際に人が暮らしています。映画や小説のようなファンタジーな話でにわかには信じられなかったのですが、家主のピーターさんはその1室を旅行者向けに貸し出しており、オンラインで予約可能。ということで、ロンドンに行った際に実際に泊まってみたところ、非日常すぎる体験が待ち受けていました。

St Pancras Clock Tower
http://www.stpancrasclocktower.co.uk/

ということで、セント・パンクラス駅に到着。あらかじめ宿への行き方は聞いていますが、実際に到着してみるまで、「泊まれる時計塔」がどんな感じなのかわからず、わくわくします。


まず、いったん駅の外に出ます。


これがセント・パンクラス駅。ヴィクトリア朝のネオ・ゴシック建築の建築で教会のような荘厳なたたずまいです。ユーロスターも乗り入れる巨大な駅で、鉄道ターミナルとしては1868年に開業しておりかなり古い部類に入ります。映画「ハリー・ポッターと秘密の部屋」では9と4分の3番線がある「キングス・クロス駅」として登場しています。


駅を出て建物沿いに歩いていると、駅と同じ建物にあるセント パンクラス ルネッサンス ホテル ロンドンという5つ星ホテルの入口に到着。大人2名、2018年1月30日~31日に1泊すると価格は7万円以上という高級ホテルです。


このホテルの入口を素通りし……


その隣にある階段へ。


これがアパート入口。


「ST PANCRAS CHAMBERS APARTMENTS」ということで、アパートで間違いなさそうです。


ロビーにいるコンシェルジュにピーターさんの名前を告げると、部屋までの行き方を教えてくれました。エレベーターで階上に行くと、自然光が柔らかに注ぐ、白を基調とした落ち着いた通路に出ます。柱が突出しているのも歴史ある建物という感じです。


実際にはエレベーターを使いましたが、階段も雰囲気があります。


そして突き当たりが今回宿泊させてもらうピーターさんの部屋。


玄関の扉を開けるとこんな感じ。あらかじめ到着時間を連絡していたので、家主のピーターさんに出迎えられます。


そして、ピーターさんの案内で階段を下りていきます。


奥にある白い扉が宿泊させてもらうゲストルーム。


レトロな雰囲気の鍵を使って開けていきます。


入ってすぐは通路のような感じになっており、これをぐるっと回ると……


こんな感じの部屋になっていました。


ベッドはダブルベッドが1つ。ヘッドボード背後の壁の後ろ側に入口の扉があります。


ベッドサイトにはコンセント。部屋ではWi-Fiが無料で使えますが、有線LANもありました。


別の角度から見るとこんな感じ。ベッドから見て真正面と左側が窓となっており……


右側は天井まで続く本棚になっていました。


ベッド正面にはテレビ。部屋のサイズ的にややテレビが小さいのは、「部屋、景色、そして本を堪能せよ」というメッセージなのかもしれません。


部屋は4人まで宿泊可能で、カラフルなソファも4つありました。


左側の窓の隅には洗面台。


洗面台の上、コンセントの前には電気ケトルと紅茶・コーヒー・お菓子類。クッキーやシリアルが置かれていたので、朝食代わりにもなりそうです。


洗面台の下にはマグカップやグラスが並んでいました。


冷蔵庫には赤・白ワインが1本ずつ。


ベッドの上にはロフトがあり、ガラスで仕切られたバスルームになっています。パノラマ撮影するとこんな感じ。


ということで、本棚の隣にある階段を上がっていくと……


こんな感じ。ガラスの仕切りはあるものの、メインルームとの間に壁がないので開放的です。


バスタブと……


奥にはトイレ。


2階フロアから下を見下ろすとこんな感じ。


窓からはロンドンの街並みを見下ろせます。


バスタブの前にはシャワールームもあります。


ピーターさんにその他の部屋も見ていいか?と聞いたところOKとのことだったので、時計塔の中を探索してみました。再びアパート入口のフロアまで戻って……


すぐ隣にあるキッチンでは男性が料理中。この日の夜はピーターさんが友人を招いてパーティーを開くということで、明るいうちから料理人さんが準備をしていたのでした。


ふと見上げると、天窓から時計がのぞいていました。あの下に自分が泊まる部屋があるわけです。


キッチンの位置は赤枠で囲ったところあたり。ここの屋根から時計が見えています。


「セント・パンクラス駅の時計塔の中、キッチンには料理人」というあまりにも非日常的な光景に、自分が物語の中に紛れ込んでしまったような気分に……。


窓から外を見ると、隣のキングス・クロス駅も見えました。


さらに、階段を上がっていくと……


ここではパーティーの準備が行われていました。ここが時計の真下にあたる部屋で、この部屋の下の階にゲストルームがある形です。


天井を見上げると、ユニークなデザインのライトがつり下げられていました。ここも、2階部分に本棚があり……


らせん階段でアクセス可能。


とにかく至るところに巨大な本棚が設置されています。ピーターさんの読書量が計り知れません。


階下を見下ろすとこんな感じ。


部屋の天井はこんな感じ。独特の梁(はり)の形です。


さらに、天井に開いた四角い穴まで続く階段が。この階段は時計の裏側まで続いているようですが、残念ながら立ち入ることはできませんでした。


グランドピアノが置かれているのも優雅で、どこもかしこも上流階級の香りです……。


なお、夜のセント・パンクラス駅はまた別の雰囲気があり、部屋の中だけでなく周囲を歩いているだけでも異世界に来てしまったという気分になります。


時計の下、電気がついているところが今日の宿です。


旅行中の宿泊先を選ぶ際には宿内の充実度はもちろんのこと、周囲の施設の便利さも問われるところですが、ピーターさんのゲストルームは「駅チカ」を通り越して「駅」なので、アクセス最高・周囲施設の充実度も抜群です。駅構内の薬局や……


朝に焼きたてパンを食べられるベーカリーカフェ。


もちろんスーパーも。このほか、紅茶ブランドのフォートナム・アンド・メイソンキャスキッドソンなど日用品だけでなくお土産を購入できるショッピングエリアもあるので、買い忘れも怖くありません。


そして、外を出歩くのもとても楽しいですが、ゲストルームが「ここに住みたい……」と思ってしまうほどの美しさ&快適さなので、もちろんお部屋でじっくり過ごしてもOK。本棚にはぎっしりと本が並んでいたので、どんなものがあるのが見てみました。


運動・健康・性行為など、肉体に関わることを主題にした本や……


人間・生物学的な進化について、鳥についての本など。


リチャード・P・ファインマンといった物理学、数学についての本もありました。


旅行ガイドもあります。


古代インドの性の奥義書「カーマ・スートラ」とイアン・スチュアートの「自然の中に隠された数学」、そして建築の写真集をチョイス。ロンドンの街並みを見下ろしながら、非日常的なティータイムも過ごせます。


写真の男性が家主のピーターさん。長い間願っていた「時計塔に住みたい」という夢をかなえるべく、2009年にアパートを購入したそうです。旅行者と出会うのが楽しくてアパート貸し出しを開始し、のちに友人のすすめでAirbnbに登録したとのこと。


なお、泊まれる時計塔はかなり人気の宿泊先なので、なかなか予約が取れないところ。2018年1月末の時点で確認したところ、ある程度の予約枠があるのは7月頃からとなっていました。また価格は予約時期や宿泊人数などによって上下しますが、多めの人数だと割り安になり、4月20日~21日の1泊で調べたところ、2人だと合計約3万円(1人あたり1万5000円)、4人で宿泊すれば合計約4万円(1人あたり約1万円ほど)で泊まれます

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in 取材, Posted by darkhorse_log

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