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AMDのVega内蔵デスクトップ向けAPU「Ryzen 5 2400G」&「Ryzen 3 2200G」登場、GPU性能&価格でIntel製品を圧倒


CES 2018の中で発表されたAMDの次世代iGPU搭載CPU(APU)「Ryzen 5 2400G」と「Ryzen 3 2200G」が、まもなく発売されます。コードネーム「Raven Ridge」として知られ、コンシューマー向けのGPU内蔵CPUとして待望されたZenアーキテクチャ採用の次世代APUについて、すでに発表されたことをまとめると以下の通りです。

AMD Ryzen™ 5 2400G with Radeon™ RX Vega 11 Graphics | AMD
https://www.amd.com/en/products/apu/amd-ryzen-5-2400g

AMD Lists Ryzen Raven Ridge Desktop APU Details
http://www.tomshardware.com/news/amd-raven-ridge-apu-specifications,36375.html

2017年に登場したRyzen 7シリーズを皮切りに、怒濤のごとくZenアーキテクチャ製品をリリースしたAMDは、ついに待望のGPU内蔵CPU(APU)として「Ryzen 5 2400G」と「Ryzen 3 2200G」をリリースします。グラフィックボードなしで利用できるAPUの登場で、コンシューマー向けデスクトップPCのメインストリームにいよいよZen採用のAMD CPUが切り込んでいきます。


Ryzen 5 2400Gは4コア/8スレッドでGPUは11CU構成なのに対して、Ryzen 3 2200Gは4コア/4スレッドで8CU構成というすみ分けがされています。また、Ryzen 5/3 1000シリーズがメモリ周波数DDR4-2667までの標準サポートだったのに対して、よりメモリ周波数が重要となるAPUのRyzen 5/3 2000シリーズではDDR4-2993までサポートされています。そして、気になる価格は、Ryzen 5 2400Gが169ドル(約1万9000円)、Ryzen 3 2200Gが99ドル(約1万1000円)とのこと。ライバルとなるIntelの第8世代Coreプロセッサー(Coffee Lake-S)のCore i5&Core i3シリーズを下回る価格で登場します。


Raven Ridgeでは4コアのCCXとVegaグラフィックスをInfinity Fabricで高速に接続しています。なお、APUの登場によってRyzen 5とRyzen 3は2モデル体制となりますが、8コア/16スレッドの最上位シリーズRyzen 7にはAPUはリリースされない模様。


AMDはRyzen 5 2400GがライバルとなるCore i5-8400とは比較にならないGPU性能を持つとアピール。AMDによるとCore i5-8400がNVIDIAのGT 1030というローエンドグラフィックボードを搭載してはじめてRyzen 5 2400Gと同等になるとのこと。この場合、価格でもワットパフォーマンスでも上回るとしています。


主要なゲームにおけるパフォーマンス(フレームレート)についてRyzen 5 2400G(オレンジ色)とCore i5-8400(青色)を比較すると、あらゆるゲームでRyzen 5 2400Gが圧勝。


Ryzen 3 2200GとCore i3-8100との比較でもライバルに完勝しています。


また、Ryzen 5 2400G・Ryzen 3 2200Gでは、GPUの倍率ロックが解除されておりオーバークロックが可能。メモリー周波数の増加に伴ってGPU性能が大幅アップするAPUらしく、メモリ周波数がDDR4-3600では3DMark Fire Strikeスコアで4000を超えるとアピールしています。AMDの資料によるとDDR4-2400とDDR4-3600で約33%の性能アップとなっていることから、APU性能を最大限に引き出すためにはより高速のメモリの利用が望ましいようです。


Ryzen 2000シリーズでは、アクティブなスレッド数に応じてすべてのスレッドをブーストできる「Precision Boost 2」を採用しており、マルチスレッドのワークロードパフォーマンスが向上しています。


各種ベンチマークスコアの比較では、Ryzen 5 2400GはRyzen 5 1400よりもCPU性能で優れている模様。同様にRyzen 3 2200GはRyzen 3 1200をCPU性能でわずかに上回ります。


総合性能を比較するためのベンチマークテストでも、Ryzen 5 2400G&Ryzen 3 2200GはIntelの想定ライバルモデルを上回る性能を低価格で実現します。


対応ソケットはAM4で、既存のX370/B350チップ搭載マザーボードも流用可能。Intelとは違い、AMDらしい手厚い互換性を確保しています。


なお、新型APUのRyzen 5 2400G&Ryzen 3 2200Gに付属するCPUクーラーは、LEDなしのWraith Stealthだとのこと。


Ryzen 2000シリーズ向けに、主要メーカーからマザーボードが登場する予定。


GPU内蔵CPUのRyzen 5 2400G&Ryzen 3 2200Gは、2018年2月12日に発売されます。

・おまけ
CES 2018では、AMD CPUのロードマップについても発表されました。14nmから12nmにプロセスルールが改良されたZENマイクロアーキテクチャの改良版「ZEN+」を採用するディスクリートCPU「Ryzen 2000」シリーズが、2018年4月に最上位のRyzen 7から登場する見込み。なお新モデルの登場が近いこともあり、すでに Ryzen 7 1800Xなど一部の現行モデルで価格改定が行われています。また、ZEN+の先の「ZEN2」も設計は完了。さらにその先には、7nmプロセス採用の「ZEN3」が控えています。


アーキテクチャの進化によってパフォーマンスがどれだけ向上するのか、期待は高まります。

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in ハードウェア,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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