世界中の電子商取引はやがてブロックチェーンを基盤とした取引に移行していくと専門家が指摘
消費者と企業の取引、あるいは企業と企業の取引において、インターネットを通じてデータやお金をやりとりする電子商取引は今や当たり前のように行われています。ネット技術が進化するにつれて、電子商取引市場は各国の中にとどまらず、世界規模で行われるほど大きくなりましたが、以下のムービーではこの電子商取引市場はやがてブロックチェーンによる分散型の取引管理が主流になるだろうと専門家が指摘しています。
Decentralized Blockchain-Based Electronic Marketplaces on Vimeo
毎時毎分、何百万もの取引が世界中で行われています。そのほとんどが、クレジットカードなどのシステムを使った、ネットワークを介した電子商取引です。
例えばカップルが高級レストランでディナーを楽しんで、その決済をクレジットカードで行うとします。
この場合、クレジットカードの会社が仲介者となって、レストランに代金を支払うことになります。ただし、レストランは手数料をクレジットカードの会社に支払わなければなりません。
しかし、ブロックチェーンという分散型台帳管理システムを電子商取引の市場に持ち込むことで、仲介となるクレジットカード会社に手数料を払う必要性がなくなり、より消費者とサービス提供者の距離が縮まることになります。
第三者が介入するシステムから、ブロックチェーンを基盤とするシステムに移行するようになると指摘するのは、フロリダ国際大学で情報システム経営学の准教授を務めるHemang Subramanianさんです。
クレジットカードの決済ネットワークには、消費者とクレジットカード会社という2つの取引の主体が存在します。1つの取引のなかでお金を払うのが消費者とクレジットカード会社の2つ存在するという意味で、この不思議なシステムは二面市場とも呼ばれています。取引の仲介者としてクレジットカード会社が介入する必要があり、手数料などのマージンが発生することもあります。
それに対してブロックチェーンと呼ばれる新しいシステムを利用することによって、例えば全ての取引を1枚のスプレッドシートにまとめ、ネットワーク全体で共有するように、分散的に管理を行うのがブロックチェーンを基盤にした取引システムです。
また、ブロックチェーン上には個人を特定可能な情報は記録されず、高い機密性も保証されます。
取引を記録する電子帳簿の管理を特定の企業に集中させる従来のシステムと違い、ブロックチェーンを用いた電子帳簿は、暗号化された上で公開されます。
取引ネットワークは国境を越えるので、国や法律に縛られず自由な取引が行えるようになります。
Hemang Subramanianさんは、以下の3つの利点によってブロックチェーンを基盤とする電子商取引が主流になりえるとまとめています。「第一に、買い手と売り手をマッチングするのがより容易になります」
「第二に、仲介者の存在が不要となるので取引そのものがより効率的になります」
「第三にサインなどの手続きを必要としないので、効率的に契約を行うことができます」
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