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iPhone Xの初期不良「謎の緑の縦線」はAppleのせいなのかSamsungのせいなのか?


AppleのiPhoneシリーズでは、初期出荷分の端末で「iPhone 6 Plusがポケット内で曲がってしまう」などの何かしらの問題が起きることがままあります。最新の「iPhone X」でも音割れやディスプレイの反応低下などが報告されているのですが、特に問題になっているのがディスプレイ右端に出現する「謎の緑の縦線」です。この「謎の緑の縦線」は、AppleとiPhone X用のOLED(有機ELディスプレイ)を提供したSamsungのどちらに非があるのでしょうか。

Is Samsung Display to blame for iPhone X’s screen defect?
http://www.koreaherald.com/view.php?ud=20171113000844

iPhone初の有機ELディスプレイ搭載となったiPhone Xですが、ディスプレイの右端に「謎の緑の縦線」が出現すると一部のユーザーが報告しています。「謎の緑の縦線」問題を報告したユーザーのひとりである@mix0mat0sisさんによると、再起動しても「謎の緑の縦線」は消えないそうです。

@AppleSupport my iPhone X already has an issue.There is a green bar along the right hand side of the phone.Restart doesn’t fix. Known issue? pic.twitter.com/Hp3HKhVMfs

— mix0mat0sis (@mix0mat0sis)


同じ問題に直面したという@nheagyさん。

Wife’s iPhone X just developed a column of bright green pixels good thing we’ll be near an Apple store this week @AppleSupport pic.twitter.com/VzQlKnqYoC

— Nate Heagy (@nheagy)


@chromanさんは、「グリーンライン・オブ・デス」とWindowsのブルースクリーン・オブ・デスをもじった名前をつけています。

Green line of death @AppleSupport pic.twitter.com/Xf65NVogW4

— Cʜʀɪsᴛɪᴀɴ Rᴏᴍᴀɴ (@chroman)


「謎の緑の縦線」問題は、Samsungが独占的にiPhone Xに供給している有機ELディスプレイの品質によるものなのか、最先端のディスプレイを組み立てる中で生じた問題なのかは現時点では不明です。しかし、スマートフォン向けパーツ業界では、iPhone Xの発売が遅れた原因のひとつに、Samsungが供給する有機ELディスプレイの「予想を下回る」品質があったといわれており、業界内では早くから「苦情が出るだろう」と考えられていたそうです。また、ディスプレイ業界の関係者によると、「Samsungは有機ELディスプレイが低品質であったことで、Appleに違約金を支払いました。Appleは有機ELディスプレイの品質に非常にうるさかったそうですが、Samsungは顧客(Apple)を満足させる以外の選択肢がありませんでした」と語っています。


Appleは報告されている「謎の緑の縦線」問題について正式なコメントを出していませんが、問題が見られるiPhone Xを新しいものと交換していると報じられています。

なお、Samsungの有機ELディスプレイ(AMOLEDディスプレイ)を採用する製品では、2016年に発売された「Galaxy S7」でも同様の問題が報告されており、ピンク色の線が入るという報告も挙がっています。

Dear @Samsung,Please help i got this pink line in my s7 edge and i cant claim warranty because of small crack. Please help. pic.twitter.com/9Ihj3aRfyr

— Syahreza Zain (@SyahrezaZain)


一方、韓国のThe Korea Heraldは「Appleは有機ELディスプレイを使った経験がないので、iPhoneの歩留まりがかなり低くなっている」と報じています。The Korea Heraldの情報源は、「iPhone Xのパーツを組み立てている最中に予期せぬ間違いを起こしてしまったのだろう。また、Appleはいつも元のディスプレイパネルにいくつかのチューニングを加えるので、パーツのどこに欠陥があるのか明確にすることも難しいだろう」と、非はSamsungサイドではなくAppleサイドにあると推察しています。なお、AppleはiPhone Xの部品サプライヤーに守秘義務を要求したと伝えられており、Samsungはコメントを控えています。

SamsungがiPhone向けに独自のAMOLEDディスプレイを提供するのは今回が初めてのことですが、市場調査会社のIHS Markitによると、SamsungのAMOLEDディスプレイは1ユニットあたり110ドル(約1万2000円)と見積もられており、iPhone Xの部品コストの3割を占めると考えられています。Samsungと同じ韓国のLG Displayは、Plastic OLEDという独自の有機ELディスプレイを開発していますが、SamsungのAMOLEDディスプレイはスマートフォンの他にスマートウォッチやノートPCなどでも広く使用されており、他の有機ELディスプレイよりも高いリフレッシュレートを誇るという特徴があります。

なお、SamsungはiPhone Xに独占的に有機ELディスプレイを供給しているにもかかわらず、同社のディスプレイ部門の売上のうち、有機ELディスプレイ事業部門の売上比率は60%の73億9000万ドル(約8300億円)となっています。これについて業界関係者は、「Appleからの違約金がなければ、有機ELディスプレイ事業の収益はより大きくなっていただろう」と述べました。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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