航空会社の利益の多くが手荷物などの「追加料金」から生みだされ、利用客の不満が拡大していることが判明

By scottnj

2016年にアメリカの航空各社が上げた売り上げのうち、実に71億ドル(約8000億円)が「座席指定料金」や「手荷物持ち込み料金」などの追加料金によるものであることが、アメリカ政府関連機関の調査で明らかにされています。この料金は利用者にきちんと説明されたものでないことも多く、乗客の多くに不満がたまっている状態となっています。

U.S. GAO - Commercial Aviation: Information on Airline Fees for Optional Services
https://www.gao.gov/products/GAO-17-756

As airline revenue from extra fees increases, so does consumer ire - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/lifestyle/travel/as-airline-revenue-from-extra-fees-increases-so-does-consumer-ire/2017/11/01/6f14e874-bb43-11e7-a908-a3470754bbb9_story.html

アメリカ政府関連機関のU.S.Government Accountability Office (GAO:政府監査院)が発表した内容によると、アメリカ航空各社は種々の項目で利用客から徴収している追加費用から巨額の売り上げを構築している実情が存在しています。LCC(格安航空会社)を中心に繰り広げられる価格競争の中で、チケット本体の料金から切り離された追加料金の仕組みがエスカレートし、乗客が不満を覚えるような追加料金までもが徴収されるという状況に陥っていることも明らかにされています。

その一例といえるのが、「手荷物持ち込み料」として徴収される料金。これは、規定の手荷物を超える荷物にかかる料金ではなく、機内に搭乗する際に持ち込む荷物全てに加算される料金で、荷物一つあたり25ドル(約3000円)が徴収されることも。この料金を回避するためにはもはや、手ぶらで飛行機に乗らなければならないことになるため、乗客の中には強い不満を訴える人も続出している模様。これもチケットの価格を抑えるための措置といえるわけですが、いくらなんでもやりすぎという声が挙がるのも無理はありません。

By bark

さらに不満のタネとなっているのが、せっかく費用を抑えるためにLCCを選んだにもかかわらず、最終的な支払料金が一般の航空会社の料金を超えてしまうケースさえ存在しているという点。もちろん、LCCを利用する際はそのようなメリットとデメリットを理解した上で利用するのが常ではあるのですが、航空会社の予約サイトによってはこのような追加料金が非常にわかりにくい形に「隠されている」という悪質なケースも見受けられるとのことです。

UserTestingが公開した調査結果では、航空会社の実名をあげてその実情を紹介。各社ともオンライン予約分野に関しては低い点数をマークしているのですが、その中でも顧客満足度が高いとされるサウスウェスト航空は高いスコアだった一方で、評判の芳しくないスピリット航空はその評判通りにランキングでも最低だったとのこと。

Airline Customer Experience Index: September 2017
https://info.usertesting.com/airline-customer-experience-index.html

また、このような料金は航空券チケット料金の比較サイトでは明らかになりにくいという現状も存在しており、比較サイトを運営する各社からも改善を求める声が挙がっているとのこと。2011年にはアメリカ運輸省が航空各社に対して追加料金についての情報をウェブサイトに明記するよう求める規則を発表しているのですが、航空各社はその後も料金をわかりにくくする方策を打ち出して低価格競争に勝ち抜く取り組みを進めているとのこと。事態を見かねた運輸省は、航空各社が提供している全ての販売チャンネルにおいて追加料金の存在をわかりやすく表示することを義務づける新規則の検討に入っていると言われています。

一方、航空会社間の自由競争に政府が介入することを批判する声も挙がっており、「消費者保護」と「自由経済」を天秤にかけた駆け引きは一筋縄ではいかない様子。しかし肝心のチケット料金を払ってくれる利用者の間では不満が渦巻く状況となっているため、各社の対応がどうなるのか興味深いところです。

By Evan Didier

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