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iPhone 8 Plusをバラバラ分解、背面のガラスパネルは一度割れると交換も困難


数々のデジタル機器を分解しレポートを作成してきたiFixitが、さっそく「iPhone 8 Plus」をバラバラに分解しています。iPhone 8 Plusからは背面がアルミニウムからガラス製に変更されているのですが、このガラスパネルは想像以上に分解が難しいパーツになっているようです。

iPhone 8 Plus Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/iPhone+8+Plus+Teardown/97482

A11 Bionicチップ搭載のiPhone 8 Plusは、5.5インチで解像度1920×1080のディスプレイを持つiPhoneです。iPhone 8との違いはディスプレイサイズの他に、背面の12メガピクセルデュアルカメラ。分解するのは新色のゴールドですが、表面は2014年のiPhone 6 Plusから変化ありません。


しかし、背面はガラスパネルに変更されているので、手に持ってみるとこれまでとはかなり違った印象を受けます。なお、背面がガラスパネルに変更されたのはiPhone 8/8 Plusからワイヤレス充電をサポートするようになったためです。


なお、iPhone 8からはモデル番号が背面から消えました。消えたモデル番号を確認するには外箱背面の赤枠部分をチェックすればOK。なお、iPhone 8 Plusのモデル番号は「A1864」です。


Creative ElectronのX線技術を用いてiPhone 8 Plusの中をのぞいて見ると、こんな感じ。中央部分にある円形のパーツはワイヤレス充電用のコイルです。iPhone 7/7 Plusの場合はX線写真に背面のAppleロゴが写り込むんでいたのですが、iPhone 8/8 Plusでは写り込んでおらず、これはAppleロゴが金属パーツから変更されたため。


というわけでさっそく分解スタート。まずはiOpenerを使ってLightning端子の左右にあるガスケット付きの特殊ネジを外し……


iOpenerを使ってディスプレイパネルを固定する接着剤を熱し……


パカリ


バッテリーコネクタはSpudgerには合致しておらず、バッテリーは特殊なY字型のネジで固定されており……


さらに4か所が接着剤で固定されています。


バッテリー容量は2691mAh。iPhone 7 Plusの2900mAhから少しだけ小さくなっています。


これで本体からディスプレイを取り外すことが可能に。なお、iPhone 8とiPhone 8 Plusはまったく同じホームボタンを使用しています。


端末右上にはデュアルカメラ


取り外すとこう。


デュアルカメラ部分のX線写真はこんな感じ。


続いて固定する特殊ネジを外してロジックボードを取り外します。


ロジックボードの赤枠部分にはA11 Bionicチップ。Samsung製の3GB LPDDR4 RAMが使用されています。オレンジ枠部分にはQualcommのLTEモデム「MDM9655」、黄枠部分には「Skyworks SkyOne SKY78140」、緑枠部分には「Avago 8072JD112」、水色枠部分は「P215 730N71T(恐らくトラッキングIC)」、青枠部分にはクアッドバンドGSMパワーアンプモジュールの「Skyworks 77366-17」、紫枠部分にはNFCモジュールの「PN80V: UFLGA64」。


裏面の赤枠部分にはWi-Fi/Bluetoothモジュールの「Murata 339S00399」、オレンジ枠部分にApple 338S00248/338S00309 PMIC/S3830028、黄枠部分にSanDiskの64GB NANDフラッシュストレージ「SDMPEGF12」、緑枠部分にQualcommのGigabit LTE RFトランシーバー「WTR5975」、青枠部分には「NXP 1612A1」、紫枠部分は「Skyworks 3760 3759 1727 RF Switch」と「SKY762-21 207839 1731 RF Switch」。


ロジックボードを外すとその下のパーツを取り外しできるようになります。これは進化したステレオスピーカー。


こちらは特殊なバイブレーションでiPhone独特の触感を生みだす「Taptic Engine」


このプラスチックパーツは耐水機能を備えたiPhone 7から登場した気圧孔。


Lightningポート周りのパーツを取り外します。Lightningポート周りは新しい設計になっており、これは急速充電時に発生する熱を素早く逃がすためのものとのこと。


続いて背面のガラスパネルを分解。背面のガラスパネルは接着剤で固定されていますが、熱で接着剤をゆるくすることは難しいとのこと。


iPhone 8の分解時にガラスパネルをきれいに分離することに成功したので、今回は意図的に割れたガラスパネルを分解してみる」とiFixit。


実際に割れた背面のガラスパネルを分解したiFixitいわく、「iPhone 8/8 Plusを落とさないで下さい。割れた背面ガラスは内部パーツを取り外すよりもはるかに困難です」とのこと。


というわけで分解した全てのパーツを並べるとこんな感じ。iFixitの評価としては、ディスプレイとバッテリーは適切な知識とツールを使えば簡単にアクセス可能なものの、耐水用のシールなどで分解・修理が困難になっているとのこと。また、多くの修理を行うには最大で4つの種類のドライバーが必要だそうです。なお、背面のガラスパネルはAppleいわく「これまでスマートフォンに採用されたものの中で最も耐久性のあるガラス」とのことですが、iFixitは「割れやすく交換も不可能」としています。


なお、分解・修理の難易度は10段階中の6(点数が低いほど難易度が高い)と評価されています。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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