モバイル

Google純正スマホ「Pixel XL」をバラバラに分解、意外な修理・分解のしやすさが判明


Googleが自らリリースしたスマートフォン「Pixel XL」を、分解・修理集団のiFixitがさっそく分解して詳細なレポートにまとめています。iPhone 7を迎え撃つAndroidのハイエンドモデルは、奇をてらわずオーソドックスな作りになっていることが明らかになっています。

Google Pixel XL Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/Google+Pixel+XL+Teardown/71237

Pixel XLを分解する様子は、以下のムービーで確認できます。

Google Pixel XL Teardown Review! - YouTube


Pixel XLは5.5インチ(2560×1440)の有機ELディスプレイを採用。iPhone 7 Plusと比べるとほぼ同じ大きさです。


なお、iPhone 7シリーズとは異なり充電用にはType-CのUSBポートを備え、イヤホンジャックも搭載しています。


分解はディスプレイを剥がすところからスタート。iFixit製のiOpenerを使って、ディスプレイ部分を加熱して接着剤を溶かしてから……


吸盤で引き上げつつ、ピック状のツール「Opening Picks」を隙間に押し込んで、少しずつディスプレイを取り外していきます。


ディスプレイモジュールは極めて薄く破損しやすいので、ディスプレイの取り外し作業は、Pixel XLの分解で最も難しいものの一つです。


内部はすべてT5のトルクスネジで固定されているとのこと。ディスプレイのフラットケーブルを取り外して……


ガラス付きのディスプレイモジュールが取り外せました。


赤枠で囲ったチップは、タッチコントローラー「S3708


薄いマグネシウム製の保護フレームを取り外すと……


バッテリーなどが確認できました。なお、下部に見える青緑色の基板はドーターボードです。


バッテリーの取り外し用に、引っ張れるようにテープがついています。


しかしバッテリーを固定している接着剤は強力なので、熱を十分に加えないとテープを引っ張ってバッテリーを取り外すことは不可能とのこと。


13.28WhのHTC製バッテリーは11.1WhのiPhone 7 Plusよりも大容量。


次にカメラ部分の分解作業。まずは、光センサーを取り外します。


イヤホンジャックモジュールも取り外すと……


800万画素のフロントカメラモジュールが取り出せました。フロントカメラ部分は簡単に交換できそうだとiFixitは高評価を与えています。


続いてマザーボードの取り外し作業。マザーボード裏には、指紋センサー用のケーブルがブービートラップの様に接続されているので、マザーボードを持ち上げてケーブルを解除する必要があります。


マイクとレーザーオートフォーカス(AF)用のミニボードを取り外します。


これが1230万画素のリアカメラモジュール。


左がリアカメラで右がフロントカメラ。センサーサイズだけでなくカメラモジュール自体のサイズもわずかに違います。


なお、メインカメラに取り付けられていた謎のコイルはパッシブインダクターの可能性が高いとのこと。


マザーボード表面には、Qualcomm製のSoC「Snapdragon 821」とSamsung製のLPDDR4メモリ「K3RG2G20BM-MGCJ」(赤枠)が積み重ねられています。Quick Charge 3.0用のICチップ「SMB1350(PDFファイル)」(黄枠)、NFCコントローラー「NXP 55102 1807 S0622」(紫枠)


マザーボード裏面には、高速ストレージとしてSamsung製のUFS2.0「KLUBG4G1CE」(赤枠)、LTEトランシーバー「WTR3925」(緑枠)、Dynamic Antenna Matching Tuner「RF360」(紫枠)などを搭載しています。


ドーターボードはType-CのUSBポートとマイクをコントロールします。


赤枠がQualcomm製のアンテナ整合用チップ「QFE2550


バックパネルには、指紋センサー用の弁式のボタンを搭載。


指紋センサーユニットはメーカー不明。


Pixel XLのパーツをすべて並べるとこんな感じ。


Pixel XLの分解・修理難易度は、10段階中の6と比較的やさしめ。その理由として、「ディスプレイ部分さえ取り外せれば、ほとんどのモジュールが簡単に交換できること」「バッテリーを取り外すためのケーブルが用意されていること」「すべてT5と汎用性のあるネジが使われていること」「ディスプレイユニットは壊れやすく、取り外すのが難しいこと」「マグネシウム製の中間保護フレームが取り外しにくいこと」を挙げています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Googleが初めて独自開発したハイエンドスマホ「Pixel」実機レビュー - GIGAZINE

iPhone 7 Plusバラバラ分解レポート、最新技術満載の中身はこんな感じ - GIGAZINE

Googleの「Nexus 6P」をバラバラ分解、見た目だけでなく中身も特別仕様 - GIGAZINE

Apple Watch Series 2バラバラ分解レポート、大幅に進化した中身が明らかに - GIGAZINE

ソニーの中の人が自ら「PS VR」を分解、仮想空間へいざなうデバイスの構造はこんな感じ - GIGAZINE

Samsungの大画面ハイエンド「Galaxy Note7」をバラバラに分解、虹彩認証・ワイヤレス充電・IP68防水などの構造が明らかに - GIGAZINE

発売されたばかりのVRヘッドセット「Oculus Rift」を速攻でバラバラ分解 - GIGAZINE

VRヘッドセット「HTC Vive」をバラバラに分解 - GIGAZINE

「修理はユーザーの権利」と話すバラバラ分解集団「iFixit」の実態に迫る - GIGAZINE

in モバイル,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.