ハードウェア

発売されたばかりのVRヘッドセット「Oculus Rift」を速攻でバラバラ分解


HTC VivePlayStation VRなどVRヘッドセットが多く登場する2016年はVR元年とも言われています。そのVRヘッドセットの新製品の1つ「Oculus Rift」は出荷が早くも始まり世界中からプレイレビューが届けられていますが、バラバラ分解集団のiFixitは届いたOculus VRをさっそく分解して修理難度のレベルを調べています。

Oculus Rift CV1 Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/Oculus+Rift+CV1+Teardown/60612

Oculus Riftはヘッドトラッキング技術を採用。頭の動きをトラッキングするのに使われているのは紫色に光るLEDライトです。


LEDライトは後部のバンド部分にも10個搭載されています。


Oculus Riftの分解開始。


まずは、本体が顔にピッタリとフィットするようにつけられているフレームを取り外します。フレームは、ネジではなく留め具で固定されているので、取り外すのは簡単。


フレームを外したら、ディスプレイに接続されているケーブルを取り外します。


次はマイナスドライバーでヘッドセットのスピーカーを取り外します。


取り外されたスピーカー


内部の装置を保護するためにつけられているプロテクターを外すのですが、ネジなどは見当たらず。プロテクター付近をくまなく調べると、隠された留め具を発見しました。


留め具を外したら、プロテクターは簡単に外せます。ネジを極力使っていないのは、軽量化に一役かっているとのこと。


プロテクターを外すと、Oculus Riftの内部があらわになりました。手前に見えているのがレンズなのですが、それぞれのレンズの下部にディスプレイが搭載されているのがわかります。iFixitによれば、プロトタイプは大きなディスプレイ1つで左右のレンズをカバーする構造でしたが、製品版はレンズごとに小型ディスプレイが1つずつ装着されているとのこと。ディスプレイを2つにすることで、レンズ位置の調整が可能になっているそうです。


レンズ上部に付いているのは、ユーザーがOculus Riftを装着しているかどうかを検知するためのセンサー。


次は、最も外側にあるケースを取り外します。


ケースから3本のケーブルが伸びて本体側にあるLEDのコントロールボードに接続されているので、これを抜いてしまうと……


Oculus Riftの中身だけになりました。


ケースの内側には円形のラベルのようなものがたくさん付いていて、この中にLEDが入っています。


レンズの上部にあるのはマザーボード。


赤枠が東芝製のインターフェイスブリッジ「TC358870XBG」、オレンジ枠がCypress製のハブ・コントローラ 「CYUSB3304」、黄色枠がST Microelectronics製のARM Cortex-M0 32ビットマイクロコントローラー「STM32F072VB」、緑枠がWinbond製のシリアルフラッシュメモリ「W25Q64FV」、青色がCMedia製のUSBオーディオコントローラー「CM119BN」、水色がNordic Semiconductor製のBluetooth Low Energy(BLE)SOC「nRF51822」です。


マザーボードの背面はこんな感じ。


次は土台になっているディスプレイごとレンズを引きはがします。


ディスプレイの画素密度は456ppiで、401ppiのiPhone 6s Plusよりも高密度になっています。


左がOculus Riftプロトタイプのレンズで右がOculus Rift製品版のレンズ。プロトタイプでは円形の取替可能なレンズが使用されていましたが、製品版のレンズは異形タイプで取替不可能なレンズが使われています。


レンズは厚みが少ないフレネルレンズに似ており、iFixitはフレネルレンズを組み合わせたハイブリッドフレネルレンズが使用されているのではないかと予想しています。


レンズとディスプレイが取り除かれた本体。


本体の側面にはLEDドライバーボードが装着されていました。


Texas Instruments製のLEDドライバー「TLC59401」が3個取り付けられています。


背面にはコンデンサーを搭載。コンデンサーは赤外線LEDのような強い信号からの負荷を抑えるために搭載されていると考えられます。


本体を分解したら、次はヘッドバンド。オープナーを画像のようにバンドの隙間に入れて……


バリバリと引きはがします。バンドの内側に見えている黒いケーブルは、バンド部分に内蔵されているLEDに電力を供給するためのものです。


これにてOculus Riftの分解は終了。iFixによる修理難度は10点中7点。10点に近い方が修理難度は低いので、Oculus Riftは修理が簡単に行える部類に入りそう。ケーブルの配線が整理されていて取り外しやすいこと、ヘッドホンユニットの取り外しがものすごく簡単なこと、留め具で留められていた2種類のフレームが取り外しやすいことなどが、7点になった理由。ただし、Oculus Riftの内部にあったレンズ・ディスプレイ・マザーボードをつなぐリボンケーブルは取り外すのが非常に困難だったとのことです。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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