レビュー

画面をたたき割られた「iPad」を「iFixit」の専用修理キットで直してみたレポート


保護フィルムのレビュー記事でコンクリートブロックの直撃を受けてディスプレイ上のガラスが割れてしまった「第3世代iPad」。急いで修理しなければと思いつつも、せっかくなら自分たちで修理してみようかと思い立ち、iFixitから部品と専用のツールキットを購入して直してみました。

◆使用機材

iFixitはアメリカの会社なので、注文した荷物は国際郵便で到着。


箱の中には緩衝材とパーツが詰まっています。


今回注文したのはiPad用の交換部品「iPad 3rd Gen Front Panel(169.95ドル/1万3600円前後」とリペア用の工具セット「Pro Tech Toolkit(59.95ドル/4800円前後)」、パネルを保持するのに使用する「Heavy-duty Suction Cups Pair(14.95ドル/1200円前後)」です。


布製のケースに入った「Pro Tech Toolkit」。


中身はこんな感じ。


静電気防止用のリストバンド。


フロントパネルのガラスを外す際に使用するプラスチック製の器具。


4種類のピンセット。


iPhone 4/4Sなどで使用されている特殊なネジにも対応したドライバーセット。


分解する際に部品の隙間に差込んでパーツを剥がすためのヘラ。


ツールキットとは別売りの「Heavy-duty Suction Cups Pair」は以下の通り。


ディスプレイの表面に吸盤で吸い付くことでパネルを保持するための器具です。なお、この道具がないと修理ができないわけではなく、あれば便利かもといった程度。


交換用のフロントパネルは以下の通り。


そして、これが今回修理を行う破損したiPad。


ディスプレイは正常に点灯しますが……


フロントパネルのガラスが割れています。


◆作業手順

iPadはガラス製のフロントパネルとアルミ製のバックパネルが強力な両面テープで張り合わされた構造になっています。そこで、まずはそのテープを剥がすためにドライヤーの熱風を20~30秒当てて粘着力を弱めます。


指で触れないほど熱くなったら、ツールキットにある金属のヘラを差し込んでガラスパネルを浮かせます。なお、この作業はiFixitの作業手順解説ではプラスチック製の器具で行われていますが、実際には金属製のヘラでないと歯が立ちません。


パーツが浮き上がったところですかさずプラスチック製の器具をかませ、ガラス面が再び本体に貼り付いてしまうのを防ぎます。


あとはひたすら温めては剥がす作業を繰り返していきますが、ガラスが砕けている場合には細かな破片が散らばるので要注意です。


フロントパネルを剥がし終わるとこんな感じ。


ディスプレイを固定している四隅のネジを外します。なお、今回は液晶パネルは破損していないので交換が必要ありませんが、フロントパネルを外す際には結線の関係上ディスプレイの取り外しが必須です。


ツールキットに付属する黒い棒をディスプレイの下に差込めば簡単にパネルを外すことが可能。


ディスプレイから伸びて本体と接続されているペラペラのケーブルを引き抜きます。


これで画面を外すことができました。


同じ手順でフロントパネルと本体をつなぐケーブルも抜きます。


コレでパネルの取り外しが完了。


新品のパネルを用意します。


後は先ほどと逆の手順でケーブルを接続すればOK。


交換が完了するとこんな感じ。


再び本体にガラスパネルを固定するために購入したパーツに付属していた両面テープを使用します。


こんな感じでペタペタと貼っていけばOK。


最後にパネルを閉じて指で押えれば接着が完了。


外観は元通りになりましたが、電源を入れてみたところディスプレイが点灯しません。


修理の失敗かと思ったのですが、ホームボタンとスリープボタンを同時押しして強制リセットをかけたところ無事元通りに画面を表示させることができました。


というわけで、自力でiPadのディスプレイを修理しようとするとそれなりの時間とお金がかかってしまい、修理が失敗するリスクもあるので確実性を求めるならAppleストアリペアショップに任せる方がおすすめすです。

しかし、iFixitのキットとパーツを使って実際に自分の手で端末を分解して修理していく工程は機械いじりが好きな人にとってはかなり興味深い作業のはずなので、端末が使えなくなってしまうというリスクに対して覚悟が完了している人は自力でのiPad修理にチャレンジしてみても良いかもしれません。

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in レビュー,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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