ロシア軍が誤ってロケット弾を民間人に向け発射したとされる衝撃的なムービーがYouTubeで公開される
軍事演習中にロシア軍のKa-52というヘリコプターが誤ってS-8ロケット弾を発射し、民間人が重傷を負ったという内容がロシアのニュースサイトによって報じられました。駐車場を歩く男性の数メートル先にS-8が着弾する様子を映したムービーが公開されていますが、一方でロシアの軍広報は「負傷者はいなかった」とコメントするなど、情報が錯綜しています。
Russian military helicopter accidentally fires rockets at spectators during war games 'injuring two journalists' | The Independent
http://www.independent.co.uk/news/world/europe/zapad-2017-war-games-russia-helicopter-rockets-journalists-injured-belarus-a7955281.html
Russian military helicopter accidentally fires on spectators during war games - ABC News (Australian Broadcasting Corporation)
http://www.abc.net.au/news/2017-09-20/russian-military-helicopter-accidentally-fires-on-spectators/8962822
Russian Military Accidentally Fires at Civilians During War Games
https://gizmodo.com/russian-military-accidentally-fires-at-civilians-during-1818537439
ロケットが発射される様子は以下のムービーで確認できます。
На учениях «Запад-2017» на полигоне в Ленобласти боевой вертолет попал ракетами по зрителям - YouTube
駐車エリアをてくてく歩く男性。
すると、向こう側からヘリが2機飛んできました。
かなり接近するも、男性は特に気にせず歩いています。
しかし、「何かがおかしい」と気づいたのか、男性が足を止めた瞬間、2機のうち1機が男性の前方にロケット弾を発射。
爆音と共にあたりが煙で覆われます。
急いでカメラを下ろして逃げる撮影者。
ロケット弾の発射はロシアとベラルーシが合同で行う軍事演習「Zapad-2017」の最中に行われたもの。Zapad-2017はルーガというエストニアの国境近くに位置する都市で行われており、ムービーが「online 66.ru」「RBC」「Life.ru」といったロシアのニュースサイトで報じられたことから事故の存在が明るみにでました。ただロシアのニュースや軍の広報担当によって情報が食い違っており、事故が起こった日付も「土曜日から月曜日」と不明瞭。事故が起こった後の月曜日にはプーチン大統領がルーガを視察に訪れているとのことですが、月曜日に事故が起こったということについては、西部軍基地の広報担当が否定しています。しかし、具体的な日付については明らかにされていません。
また、ムービーではロケット発射は1度のみですが、 Warfare Worldwideは「S-8」というロケットが2発発射されたとしています。なお、以下のムービーからは別角度から事故の様子を見ることができます。
Ka-52 helicopter accidentally fires two S-8 rockets (hardware malfunction) at the reporters covering Russian Zapad 2017 drills pic.twitter.com/kPET4pThn1
— Warfare Worldwide (@WarfareWW) 2017年9月19日
なぜロケットが発射されたかの原因は調査中ですが、記事作成時点では「技術上の問題」だとされています。Moscow Timesによると今回の事故で最低2台の車が全焼し、2人が重傷を負い病院に運ばれたとのこと。被害者の氏名などは特定されていませんが、匿名の情報元には「ジャーナリストのような人」だったと語られています。一方でThe Independentによると、別のニュースでは「民間人ではない3人が負傷した」と報じられており、西部軍基地の広報担当は「ソーシャルネットワーク上で見られる『ジャーナリストが射撃された』という内容や『大勢が重傷を負った』という全ての内容は挑発目的で故意に流されたものか、個人の愚かな行動によるものです」と述べているとのこと。
他方、軍の広報は「1機のヘリコプターのターゲティング・システムが誤ったターゲットに狙いを定めました。無誘導のミサイルはトラックに当たりましたが、誰も負傷していません」と発表しています。
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