ロシアが核弾頭を搭載し壊滅的なダメージを与えられる新型魚雷を開発中であることがニュースでばれる
ロシア政府とNational Media Groupが共同出資して運営するTV局のニュース番組で、ウラジミール・プーチン大統領と軍幹部の会合の放送中に機密書類が誤って映り込んでしまい、同国が核弾頭搭載の長距離魚雷を開発していることが明らかになりました。
Россия "засветила" новое супероружие — Антон Валагин — Российская газета
http://www.rg.ru/2015/11/12/bomb-site.html
Russia reveals giant nuclear torpedo in state TV 'leak' - BBC News
http://www.bbc.com/news/world-europe-34797252
Russian plans for massive nuclear undersea attack drone revealed by newscast | Ars Technica
http://arstechnica.com/information-technology/2015/11/russian-plans-for-massive-nuclear-undersea-attack-drone-revealed-by-newscast/
機密書類を誤放送したニュース番組は以下のムービーから確認可能です。
2015-11-10 21-00 - YouTube
ロシアの放送局であるNTVとChannel Oneが、ソチで行われたプーチン大統領と軍幹部の会合を放送していたところ、幹部の1人が兵器システムの詳細を書き記した機密書類を読んでいるところが放送されました。機密書類には、原子力潜水艦製造企業のRubinが設計した核弾頭搭載の長距離魚雷「Status-6」の構造図や破壊力を示す文章が示されており、テレビを見ていた人なら誰でも読めるくらい鮮明に映り込んでいます。
機密書類によると、Status-6はNATOの防衛網を突破して攻撃対象国の沿岸部を放射線で汚染し甚大な被害を及ぼすことが可能とのこと。攻撃を受けた地域は軍事・経済など全ての活動が長期間にわたって不可能になるそうです。
Status-6は直径1メートルで海中を最高時速100kmで進み、最大射程距離は約1万km。機密書類に深海工作用原子力潜水艦の09851型と09852型のイラストが描かれていたことから、Status-6は従来の魚雷と同じように潜水艦から発射されると予想されますが、それにしてはサイズが大きすぎるという指摘もあります。
Status-6の存在は誤放送によりロシア政府は意図せずして明らかにしてしまったわけですが、大統領報道官のDmitry Peskov氏は「極秘情報がテレビに映ったことは事実です。そのため、該当の映像は削除されました」と発言しており、事実上、ロシア政府が核弾頭を搭載した魚雷の開発を進めていることを認める形になりました。
ロシアは原子力潜水艦を用いた活動を頻繁に続けており、2015年10月にはThe New York Timesによりロシアの原子力潜水艦が海底ケーブル付近で活動していることが指摘されたこともあります。この報道に関して、イギリスのBBCは「ロシアは有事の際にインターネット用の海底ケーブルを切断するのではないか?」と報道しており、攻撃対象国をインターネットから遮断する可能性もあるとのことです。
なお、機密資料にはStatus-6の発射試験が2019~2020年ごろに可能になると記されています。
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