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1ピクセル1ドルで1000×1000ピクセルを売り1億円を稼いだ伝説の「The Million Dollar Homepage」はこうなった


2005年、イギリス出身の学生アレックス・テューさんが学費をかせぐためにサイト「The Million Dollar Homepage」(ミリオン・ダラー・ホームページ)を立ち上げました。そのホームページには1000ピクセル×1000ピクセルの「キャンバス」が設けられ、10×10ピクセルを最小単位として1ピクセルあたり1ドル(当時の平均レートで約110円換算)という価格でサイト上のスペースを永久に保有できる権利を販売するというシンプルなビジネスモデルが用いられていました。一時は大きな話題として取り上げられ、2006年には全てのピクセルが完売してテューさんにサイト名どおり100万ドル(約1億1000万円)という大金を手に入れさせたこのページは、その後どのような状態になったのでしょうか。

Blog | Library Innovation Lab
https://lil.law.harvard.edu/blog/2017/07/21/a-million-squandered-the-million-dollar-homepage-as-a-decaying-digital-artifact/

2005年に誕生したThe Million Dollar Homepageは、今でもドメイン変更やデザイン変更を行うことなく存在しており、閲覧することが可能。以下のリンクからサイトにアクセスすると、その全貌を見ることができます。

The Million Dollar Homepage - Own a piece of internet history!
http://www.milliondollarhomepage.com/

その全貌はこんな感じ。ページの上下にはタイトルなどを表示するエリアがありますが、真ん中の部分にある1000×1000ピクセルのエリアには、大小さまざまな画像がビッシリと埋め尽くされています。


近寄ってみると、やはり大小さまざまな画像やテキストで埋め尽くされていることがわかります。それぞれの区画にはリンクが設定されており、クリックしてアクセスすることが可能。つまり、広告の1つの形態としてもThe Million Dollar Homepageを使うことができたというわけです。ちなみに、画面中央の上部にある「ナマズン」はリンク切れの状態。


2005年8月末にオープンしたThe Million Dollar Homepageは当初、知人のクチコミだけでスタートしたのですが、1000ドルの売り上げを達成した時点でメディア各社にプレスリリースを送付。イギリスのBBCがサイトを取り上げたことから人が集まるようになり、同年10月には、合計100万ピクセルのうち99万9000ピクセルを完売してテュー氏は99万9000ドル(約1億990万円)の収入を得ていました。のこる1000ピクセルについてはネットオークションサイトのeBayでオークションが実施され、3万8100ドル(約381万円)で落札されたとのこと。

当時、このサイトについてはさまざまな意見が飛び交っており、賛否両論の状態だったとのこと。まるで「インターネット時代の寵児」「バイラルマーケティングの好例」というふうに扱うメディアがいる一方、コンテンツの中にはカジノなどいかがわしいものもあることから、「安っぽい、詐欺まがいの広告やスパムやバナー広告やポップアップの荒野」と評したワシントンポスト紙のような意見もあがっていました。

いわば、インターネットのホームページという「土地」を区画に区切って「分譲する」というスタイルのThe Million Dollar Homepageのウリは、一度購入したピクセルはサイトが閉じられない限り永遠に自分のものであるという点にあります。同サイトでもページ右上には「Own a piece of internet history」(インターネットの歴史の一部を保有しよう!)というキャッチコピーがつけられています。


ピクセルの完売から11年あまりが過ぎたThe Million Dollar Homepageですが、今では各区画に設定されていたハイパーリンクが切れているケースが多くなってきているとのこと。以下の表はリンクの状況を色分けしたもので、ページに含まれる2816リンクのうち、朱色で示されている部分はもうアクセスできないものでその数は547個。薄紫色で示されている部分は、別サイトやドメイン販売ページなどにリダイレクトされる状態になっているもので、その数は489個。そして、今でもアクセスが可能な緑色のリンクは1780個となっているそうです。


インターネットのサイトというものは、サイトの閉鎖はもちろん、ドメイン変更でURLが変わることでアクセスできなくなってしまうケースがあります。また、ドメインそのものは残っていても、サイトコンテンツの統廃合や改良でThe Million Dollar Homepageからのランディングページがなくなってしまうだけで、アクセスが途絶えてしまうこともあります。すでに、「archive.org」のような団体がウェブページのアーカイブを行っているケースも存在しますが、インターネットにおける「コンテンツの保存」というテーマに大きな問題を問いかけていると言えそうです。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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