またしてもMicrosoftがWindows 10のアップグレード問題で訴えられる
By downloadsource.fr
登場時からアップグレードに関するトピックで何かと話題になったMicrosoftのWindows 10ですが、2016年には「PCが意図せずWindows 10へ自動でアップグレードしてしまい、PCが使用できなくなった」として訴えを起こした女性が約100万円の賠償金を勝ち取り話題となりました。同じようにWindows 10へのアップグレードで意図せぬ問題が起きて困っている人は大勢いるようで、アメリカ・イリノイ州ではまたしても集団訴訟に発展しています。
Microsoft sued for millions over Windows 10 upgrades | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2017/03/unhappy-windows-10-upgraders-take-microsoft-to-court-for-lost-data-damaged-pcs/
2015年7月にWindows 10をリリースした際、それまでとは異なり、MicrosoftはWindows 7およびWindows 8.1ユーザー向けに無料でWindows 10へのアップグレードを期間限定で提供しました。そして、Microsoftはアップグレードを行っていないWindowsユーザーに向けて、かなり積極的にアップグレードを勧めるポップアップ広告を表示するという戦略をとり話題となりました。
日を追うごとに徐々に凶悪になっていった「Windows 10にアップグレードしませんか?」とWindows 10へのアップグレードをせかしてくるポップアップ広告プログラムについては以下の記事を読むと詳細がわかります。
「Windows 10にアップグレードしませんか?」のポップアップ広告プログラムがさらにアグレッシブに変更される - GIGAZINE
また、Windows 10がリリースされた初期には、一部のユーザーから「自動でWindows 10のアップグレード寸前までいってしまう」という報告も相次ぎました。
ユーザーの許可なくWindows10に自動アップグレード寸前までいってしまうという報告が相次ぐ - GIGAZINE
その後2017年になって、アメリカ・イリノイ州でPCのOSをWindows 10にアップグレードしたことでPCのHDDが故障したりPC内のデータを失ったりしたユーザーが集まり集団訴訟を起こしています。今回の集団訴訟の原告は3人おり、それぞれがWindows 10により特定の被害を受けたと主張しています。
原告のひとりであるステファニー・ワトソン氏は、Windows 10へのアップグレードを受け入れた覚えはないのにOSがアップグレードしてしまったと主張。このアップグレードによりPC内のデータは破損し、業者に頼んだもののPCを修復することはできず、新しいPCを購入する羽目になったそうです。ワトソン氏は、Windows 10をインストールすることで「多くのコンシューマーのHDDが故障した」、Windows 10は「HDDがWindows 10をインストールする負荷に耐えられるかチェックしていない」と主張しています。
By Raymond Shobe
もうひとりの原告であるロバート・サイガー氏は、Windows 10へのアップグレードに同意したそうですが、これによりPC上で使用していたソフトウェアが停止し、一部でデータの破損が発生したそうです。サイガー氏は破損したデータを復旧するために自費でデータの復旧を行っており、MicrosoftはWindows 10へのアップグレード前にハードウェアまたはソフトウェアの互換性を確認していない、と主張しています。
3人目の原告であるハワード・ゴールドバーグ氏は、Windows 10へのアップデートが勧められるようになって6ヵ月が経過した後にアップグレードを受け入れました。しかし、OSのダウンロードは3回失敗し、「自分のPCが壊れている」と思ったゴールドバーグ氏はデータ復旧やPCの修理を行い、その費用を返金してもらうために訴訟を起こすことにしたと主張しています。
今回の集団訴訟では、原告側は「MicrosoftはWindows 10へのアップグレードでPCやデータに損害を与える可能性があることを示し、バックアップをとるよう消費者に伝えるべきであった」と主張しています。また、Microsoftはこういった問題が起きることを理解していたはずであるとしており、MicrosoftがWindows 10の欠陥に関する情報を開示していなかったため起きた「Microsoftの過失に基づく事故である」と主張しています。
なお、Microsoftは今回の集団訴訟に対し、「1年間の保証プログラムで、アップデートした顧客に対して無料のカスタマーサポートや、31日間の旧OSへのロールバックなどさまざまなオプションを提供しました。よって、原告の主張に価値はないと信じています」とコメントしています。
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