マルウェアに感染したUSBメモリから安全にデータを取り出せる「CIRCLean」
USBポートに挿すだけでガジェットを完全に破壊する「USB Killer」や、ごく普通のUSBメモリを利用してPCからデータを盗み出す「USBee」など、USBメモリを利用したマルウェアの危険性が指摘されています。そんな中、ルクセンブルクに拠点を置きコンピューターセキュリティ関連の取り組みを行う組織CIRCLが、「マルウェアなどに感染している危険性のあるUSBメモリ」から安全に必要なデータのみを取り出すことができる「CIRCLean」を発表しました。
CIRCL » CIRCLean - USB key sanitizer
https://www.circl.lu/projects/CIRCLean/
「CIRCLean」は、USBメモリ内に保存されている信頼できないドキュメントファイルを自動で読み込み、危険性のない状態に変換し、データを他のUSBメモリにコピーすることができるというものです。USBメモリそのものが信頼できない危険なものであったり、メモリ内にマルウェアが保存されていたりしても、安全に(USBメモリ内の)データを入手可能となります。
CIRCLeanはオープンソースのソフトウェアで、GitHub上でソースコードが公開されています。
GitHub - CIRCL/Circlean: USB key cleaner
CIRCLeanはソフトウェアなのでPCにインストールして使用する必要があります。また、最悪の場合はCIRCLeanをインストールした端末がマルウェアに感染して危険にさらされる可能性もあるとのこと。なので、Raspberry Piなどの安価で購入できるシングルボードコンピューターなどにインストールして利用することが推奨されています。
使い方は簡単で、まず初めにCIRCLeanをインストールしたデバイスのプラグを抜き、電源を落とします。
次に、マルウェアに感染している疑いのあるUSBメモリを本体の1番上のスロットに挿します。
続いて、データをコピーする用の信頼できるUSBメモリをその下のスロットに挿します。この時重要なのは、最初に挿されたUSBメモリよりも容量の大きなUSBメモリをコピー用に使用すること。これは、安全に取り出したデータが元のデータよりも大きくなることがあるからだそうです。
続いて、Raspberry Piに電源を接続。
ダイオード付きのRaspberry Piの場合、点滅が止まるまで待ちます。ダイオードがない場合は本体にイヤホンを挿して、再生される音楽を楽しめばOK。
音楽の再生が終われば変換完了。本体からUSBメモリを抜けばOKです。
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