インタビュー

「死体をポップコーンみたいに爆発させるのがめちゃくちゃ楽しい」と話す「Diablo」開発者インタビュー


Blizzardが開発を手がけるゲーム「Diablo(ディアブロ)」シリーズは、今でこそ当たり前になったオンラインゲームの先駆けとして知られるゲームです。ディアブロシリーズは2017年に誕生から20周年を迎え、20周年記念として初代ディアブロをリメイクした新モードを「Blizzcon 2016」で発表。さらに、新クラスの「ネクロマンサー」も同時に発表され、集まったファンは大いに盛り上がりました。

20周年記念として「ディアブロ III」および「ディアブロIII リーパー オブ ソウルズ」に配信されることになった初代Diablloのリメイクは、オリジナルの16階層のダンジョンや4種類のボスが登場し、キャラクターの移動方向を8方向に制限したり、グラフィックスを当時の荒い画質に落としたりして初代ディアブロのゲーム体験を再現しているとのこと。また、初代ディアブロのBGMやUIも再現しているそうです。なぜ20周年記念にあえて初代ディアブロを再現したリメイクを配信することになったのか、また、新しいクラスとして発表されたネクロマンサーのことも気になったので開発者にインタビューをしてきました。

Diablo III Official Game Site
http://us.battle.net/d3/en/

インタビューに答えてくれたのはゲームデザイナーのTravis Day氏とディレクターのJohn Lagrave氏です。


GIGAZINE(以下、G):
まずは、初代ディアブロをリメイクした新モードについて聞かせてください。一般的に過去作品のリメイクというと、HDリマスターのような形でリリースされることが多いと思うのですが、なぜあえてグラフィックスを落としたリメイク版を開発したのでしょうか。

John Lagrave(以下、Lagrave):
いい質問ですね。1990年代のゲームの雰囲気をみなさんにもう一度懐かしい気持ちで楽しんでもらいたいというのが第一にあります。実は、最初はBGMだけ初代ディアブロのものを取り入れられればいいかなと考えていたのですが、開発を進めていくうちに「どうせなら16階層のダンジョンも入れたい!」「それだったらボスキャラも追加すべき!」「画質も初代と同じくらいにしてみよう!」という意見が開発チームから出てきまして。プレイヤーが懐かしさを感じる部分についてチームがアイデアを練っていくうちに、どんどん膨らんでいって結果的に初代ディアブロに近い形でリメイクを作ることになったんですよ。


GIGAZINE(以下、G):
なるほど。しかし、ディアブロIIIのユーザーの中には初代ディアブロをプレイしたことがないという人も多いと思います。そういったユーザーにはどのようなゲーム体験をしてもらいたいですか。

Legrave:
初代ディアブロをプレイしていない新しいユーザーには、ディアブロが初代からIIIまでどのように進化してきたのかを感じて欲しいと思っています。初代ディアブロは、我々がディアブロIIIでやっていることのベースになったゲームです。今回の新モードを通してディアブロの歴史を感じて欲しい。我々はそれがとても重要なことだと思っています。

G:
今回のリメイクの開発メンバーには、初代ディアブロの開発に関わった人がいるのでしょうか。

Legrave:
オリジナルに関わった開発者はいないですが、14年間ディアブロシリーズを担当している開発者がいますよ。もちろんベテランだけでなく若い開発者も関わっています。

G:
チームメンバーを選ぶ基準のようなものはありますか?

Legrave:
情熱ですね。どれくらいディアブロへの思いが強いのか、情熱を持って接しているかが基準です。

G:
リメイク、もしくは新クラスのネクロマンサーの開発において、思っていたのとは違う結果になったけども、それが逆に良かったという部分はありますか?

Travis Day(以下、Day):
たくさんありますが、1つ挙げるとしたらネクロマンサーのスキルの「コープスエクスプロージョン」ですね。コープスエクスプロージョンは、過去作品に登場した死体を爆発させるというスキルなのですが、過去作品と同じようにしたところ、エンジニアから「死体をたくさん残すのは技術的に難しい」と断られたんですよ。「じゃあ、死体をいくつか残してそれを爆発させよう」となったのですが、試してみると、ちょっと面白みに欠けたんです。これではダメだということで、エンジニアに何とか調整してもらって死体を全部残すことができるようになったのですが、今度は死体を1体ずつ爆発させるのは手間がかかることに気づき、もうそれだったら死体を全部まとめて爆発させよう!という話になりました。全部まとめて爆発させるのは非常に面白かったのですが、今度はアートディレクターから1体1体にディレイをかけてポップコーンみたいに爆発させてはどうだろうか、というアイデアが出てきました。これが思いのほかめちゃくちゃ面白くて、実際にテスターにプレイしてもらったところ大好評で、じゃあこれは絶対に残そう!となったんです。


G;
それは興味深い話ですね。初代ディアブロのリメイクでも同じようなことがありましたか?

Day:
レトロっぽく見せるという部分で色彩を落とす必要があったのですが、開発に頼んだところたった1日で対応してくれて。しかも見た目も素晴らしくて。難しいから時間がかかるだろうなと思っていたんですけどね。

G;
1日でですか!?リメイクとネクロマンサーに関して、プレイが面白くてやめられない!と感じたところはありますか。

Day:
僕が子どものころに兄弟と一緒にディアブロ1をプレイしていたときは、2人ともネクロマンサーを使っていたんですよ。ゲーム中に大量の敵に囲まれて絶体絶命のピンチを迎えたときに、「ヤバイヤバイ!とりあえず誰か1人を殺せば爆発させて全員殺せるから!あいつに集中して!」って2人で言いながら全員倒してピンチを切り抜けたのがものすごく楽しかった(笑) これは今でも絶対に忘れられない思い出ですね。


G;
すごく楽しかったんだろうなというのがこちらにも伝わってきます。そういった体験を今回の新しいネクロマンサーでもできるということですか。

Day:
全くおっしゃる通りです。僕が兄弟とプレイしてものすごく楽しかったあの感覚を、ユーザーのみなさまが体験できるようにがんばって開発しました。

G;
本日はありがとうございました。

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in 取材,   インタビュー,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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