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現代ゲームの礎となった初期のゲーム開発に焦点を当てたドキュメンタリー「ハイスコア:ゲーム黄金時代」


Netflixオリジナルの「ハイスコア:ゲーム黄金時代」は、スペースインベーダーパックマンストリートファイターIIソニック・ザ・ヘッジホッグDOOMといった伝説的なゲームが生まれた「ゲームの黄金時代」を題材としたドキュメンタリーシリーズです。当時まだ誕生したばかりだったゲーム産業において、開発者はルールやロードマップがなくても、お金を稼ぎ、ライバルを潰し、ファンからの愛を獲得するために、さまざまな限界に挑戦してきたことがわかる内容となっています。

ハイスコア:ゲーム黄金時代 - Netflix
https://www.netflix.com/title/81019087

「ハイスコア:ゲーム黄金時代」の日本語版予告編は記事作成時点ではNetflixの公式YouTubeチャンネル上には存在しませんが、英語版の予告編はいくつか公開されています。以下は世界初のコンピューターグラフィックスゲームのひとつとされる「ミステリーハウス」について、当時の開発者が語る予告編です。

HIGH SCORE | The First Computer Graphics Game | Netflix - YouTube


「彼はテキストベースのインタラクティブな物語や冒険を題材としたゲームを作ることはありきたり過ぎると言いました」と語るのは、ミステリーハウスのアイデアを考案したロベルタ・ウィリアムズさん。


「そして『考えがあるんだ』と言うので何かと聞いてみると、『もっとスゴイのにしよう。これにグラフィックを加えるんだ!』と言ったんです。その瞬間、『オーマイガー』って感じでした」


ただし、そこには1つ問題がありました。それは「テキストベースのインタラクティブなゲームにグラフィックを加える」という試みを、当時は誰もやったことがなかったということです。


「コンピューター自体がまだ登場して間もない技術だったため、どんな挑戦も新鮮に感じられました」と語るのが、ロベルタさんの提案に乗る形でゲームにグラフィックを加えることを提案したケン・ウィリアムズさん。


当時のゲームはフロッピーディスクの中に保存されていました。フロッピーディスクは、現代で言うところのUSBメモリのようなリムーバブルメディアで、その容量はわずか360KBでした。


当時のフロッピーディスクでは音楽を数秒分収録するだけで容量がオーバーしてしまいました。そのため、画像を表示することはほとんど不可能と考えられていたそうです。


そこでケンさんは、画像をそのままデジタル化するのではなく、輪郭をかたどった点と線に変換して表現する手法を考案。こうすることで、ゲーム内で使用する複数の画像を1枚のフロッピーディスクに収めることに成功したそうです。


そうして誕生したのが「ミステリーハウス」です。当時のアドベンチャーゲームはそのほとんどがテキストのみで構成されていたため、テキストと画像を同時に用いたミステリーハウスはアメリカで大ヒットすることとなります。


「ミステリーハウスはグラフィックを使った最初のコンピューターゲームで、技術的に大きな進歩をもたらしました」とロベルタさん。


ゲームのグラフィックはシンプルですが、これがコンピューターの画面上に表示されるということは、当時としては画期的なことでした。そのため、ロベルタさんは「すべてがここから始まったの!」と誇りを持って語っています。


以下のムービーは、世界最初のロールプレイングゲーム(RPG)として知られるダンジョンズ&ドラゴンズ のプレイヤーから、デジタルゲームの開発者となった男性の開発した「ウルティマ」に関するインタビューが収録された別の予告編ムービー。

HIGH SCORE | From D&D to Electronic RPGs | Netflix - YouTube


「当時なぜウルティマが斬新だったかというと、プレイヤーがまず自分の操作するキャラクターを作成するところからゲームがスタートしたからです」と語るのが、ウルティマの開発者であるリチャード・ギャリオットさん。


プレイヤーは操作するキャラクターの攻撃力や体力など、さまざまなステータスを設定可能でした。


それだけでなく、ウルティマにはストーリー性やエリアの多様性もあります。プレイヤーが倒れれば特定の場所で復活できたり、街では装備を整えたり休憩して回復したりもできます。


「つまり、私はゲームの中にひとつの世界を作り出したのです」と語るのは、作者のリチャード・ギャリオットさん。それまでのゲームはあらかじめキャラクターが用意されているのがほとんどでしたが、ウルティマではプレイヤーが独自に作成したキャラクターを操作してオープンワールドで壮大な冒険を繰り広げることができました。


「ウルティマを作ったことで、それまでボードゲームでダンジョンマスターを務めることで培ってきた能力を本当に少しだけど発揮できた気がします」「基本的な要素はゲームにあらかじめ設定されているものの、その他の細かい部分を埋めていくのはプレイヤー自身です」とギャリオットさん。


ナレーションでは「正直なところウルティマは今のゲームを知っている人たちからするととても見られたものではないかもしれませんが、これがなければ現代の優れたグラフィックのゲームたちが生まれることもなかったでしょう」と語られています。


なお、「ハイスコア:ゲーム黄金時代」の製作を担当したのはYouTube上でドキュメンタリー映像などを配信しているGreat Big Storyです。

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in 動画,   ゲーム, Posted by logu_ii

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