ハードウェア

「PS VR」をバラバラ分解、修理難度はどれくらいなのか?


PlayStation 4に接続するだけで仮想空間を楽しめるVRヘッドセット「PlayStation VR(PS VR)」は2016年10月13日に発売されたものの、記事作成現在でも品切れが続く人気を博しています。そんな貴重なPS VRを、発売後すぐに最新ガジェットを分解するiFixitが分解し、気になる中身や修理難度を公開しています。

PlayStation VR Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/PlayStation+VR+Teardown/69341

分解されることになるPS VR。


まずは、ゴーグル部分の内側に付けられているゴム製の遮光部品から外していきます。遮光部品はユーザーでも取り外せるようになっているとのこと。


次は内側にあるJIS規格のネジをスクリュードライバーで取り外します。


ピックを使ってゴーグル部分の周囲にある白い装飾部品をパキッパキッと取り外し……


装飾部品を取り外すと、フロントパネルが外れてPS VRの内部が丸見えになりました。


天面にあるトップパネルを手で取り外したら……


ピンセットを使ってゴーグル部分に取り付けられているLEDを外していきます。ただし、ゴーグル部分には全部でLEDが7個あり、その全てがユニットでつながっているので注意が必要。


LEDを搭載しているユニット部分が外れました。このLEDはPS VRの動きをトラッキングするのに使われています。


これが取り外したユニットです。


ヘッドバンドとゴーグル部分は2本のケーブルでつながれているので……


この2つのケーブルを基板から手で取り外します。


ゴーグルに付けられていた謎の部品。


謎の部品にはBosch製の角速度と加速度を検出する慣性計測装置(IMU)の「(PDF)BMI055」が付けられていました。


BMI055が付けられている反対側の面には、エミッターと受信機で構成された赤外線レンジファインダーを搭載。


そしてマザーボードを手で取り外します。


表面には東芝製のインタフェースブリッジ「 TC358870XBG」を搭載。


裏面にはROHM製のRGB LEDドライバー「BD2802(黄)」×3、Wolfson製のオーディオコントローラー「WM1801G(緑)」×1、Nuvoton製のマイクロコンピューター「NUC123SD4SN3(オレンジ)」×1、Texas Instruments製の有機ディスプレイ向け電源供給モジュール「S1L 621 APGH(青)」×1などを搭載。


マイクをピンセットで取り外し……


留め具を外してディスプレイを取り外します。留め具だけでなくネジでもディスプレイは留められていたとのこと。


これでゴーグル部分とディスプレイが分かれました。


ディスプレイはSamsung製の有機ELディスプレイです。OculusのRiftやHTCのViveがディスプレイを2つ使っているのに対して、PSVRは単一ディスプレイなのが興味深いポイント。


レンズとディスプレイの接触面に張り巡らされているゴム製のフレームを取り外し……


レンズを押し出すようにして外します。なお、レンズはボンドで接着されているため、取り外すのに熱を加える必要があったとのこと。


厚さ14mmのドーム型レンズ。RiftやViveに搭載されているフレネル型のレンズよりも分厚くなっています。これでゴーグル部分の分解は終了です。


ゴーグルの次に分解するのはヘッドバンド。ヘッドバンドに取り付けられているクッションは、接着剤やネジが一切使われていないため手で簡単に取り外し可能です。


レンズやディスプレイが搭載されているゴーグルはどうしても重たくなってしまうため、PS VRはあえて後部のヘッドバンドを少し重たくして全体のバランスを保っています。バランスを保つために搭載されているクリップは、少量の接着剤で付けられているだけなので、外すのは簡単。


ヘッドバンドにもLEDが搭載されています。


ヘッドバンド後部に取り付けられているLEDは全部で2個。このLEDをヘッドバンドの後部に付けることで、プレイヤーが後ろを向いてもトラッキングできるようになっています。


ヘッドバンドを締めるためのダイヤル部品をスクリュードライバーでバラバラに。


ダイヤル部分はバネで固定されていました。これでPS VRの分解はおしまい。


最後に残ったのは同梱されているプロセッサーユニット。


底面のネジを外したらカポッとカバーが外れます。カバーの下に見えているのはマザーボードを保護しているであろう金属製のプレート。


PlayStationのロゴの裏にはファンが内蔵されていました。


金属製のプレートを外したらマザーボードの登場。


マザーボードの裏側に付いていたプレートを外すとチップが見えてきました。


プロセッサーユニットに搭載されていたのはSamsung製DDR3 SDRAMの256MBのメモリ「K4B2G1646Q-BCMA」×4、Marvell製のArmada 1500 Pro 4KシリーズのSoC「DE3214-B0(赤)」×1、HDMI 2:2 クロスポイントトランシーバー「ADV7626」×2。


分解した全ての部品を並べてみるとこんな感じです。


なお、iFixitによるPS VRの修理難度は「8」という結果になりました。10に近ければ近いほど修理難度は低いということで、PS VRはさまざまなハードウェアの中でも比較的に修理が簡単な部類に入ります。難度が「8」の理由としては、ほぼ一本道で分解できることや、スクリュードライバーなしでも取り外せる部品が多数あること、標準的なJIS規格のネジが使われていることが挙げられていました。

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in ハードウェア,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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