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星から資源を取り出して自己増殖しながら銀河全体に広がるように人類が進出する「フォン・ノイマン・マシン」とは?


人類が地球に代わって居住できる星として火星が注目されており、SpaceXなどによって火星への移住計画が着々と進行しています。しかし、「銀河系全体に人類が進出できないのか?」というさらに大きなスケールで物事を考えた科学者は過去に多くいて、自己増殖できるマシン「フォン・ノイマン・マシン」が宇宙資源をゲットしながら銀河系に広がって進出することで、銀河系全体を人類が制覇できるのではないかという方法論が考えられています。

「フォン・ノイマン・マシン」がどのようなアイデアなのかは以下のムービーで確認できます。

Could human civilization spread across the whole galaxy? - Roey Tzezana - YouTube


人類は天の川銀河全体に進出することが可能でしょうか?


人類は小さな美しい地球から脱出することが可能でしょうか?


銀河には3000億個もの星があります。


その銀河は16万光年離れた遠くにあります。


仮に、一つの宇宙船を太陽系から打ち出したとして、その速度は光速の0.006%に過ぎません。


これでは銀河の端から端まで到達するのに25億年かかる計算になります。


数十年前に学者が物理法則を破ることなく銀河に進出できる方法を考案しました。


その名も「フォン・ノイマン・マシン」という方法です。


数学者フォン・ノイマンによって提案された方法論をベースにするフォン・ノイマン・マシンは……


自己増殖することが可能です。


フォン・ノイマン・マシンは最初は地球で作り出されます。


そして、宇宙空間に打ち上げられます。


ある星に到着したフォン・ノイマン・マシンは……


その星にある有用な資源やエネルギーを使って……


新たに複数のフォン・ノイマン・マシンを作り出します。ロボットが新しいロボットを作るという自己増殖機能がフォン・ノイマン・マシンの大きな特長です。


新たに作り出されたフォン・ノイマン・マシンたちも、他の惑星に向けて打ち上げられると、他の惑星の資源を活用して、さらに多くのフォン・ノイマン・マシンを作り出します。


このように、到着する先々で、新たなフォン・ノイマン・マシンを作り出して自己増殖し続けながら、銀河空間に人類が進出を続けていくというのがフォン・ノイマン・マシンのコンセプトです。


学者によると光速の5%の速さで飛行するフォン・ノイマン・マシンによって、銀河を制覇するのにかかる時間は400万年ほどとのこと。


400万年というのは途方もない時間にも思えますが、宇宙が誕生して140億年たっていることを考えれば、わずかな時間です。


宇宙が誕生したのが1年前だとすれば、2.5時間に相当する極めて短い時間と言えます。


もちろん、フォン・ノイマン・マシンを作り出すには現時点では実現していないいくつかの新技術が必要です。


さらに進化した人工知能


微細化技術


物を成形する技術など。


これらの技術を使って人類が銀河に進出するには、さらなる技術的な飛躍が求められます。


人工的に有機物を培養する技術


遺伝的情報を使って細胞を作り出す必要がありそうです。


仮に、過去数十億年の間に宇宙人がフォン・ノイマン・マシンのようなマシンを開発して、私たちの住む銀河に向けて進出し始めていれば……


今頃、私たちの銀河には宇宙人のフォン・ノイマン・マシンがうじゃうじゃいるでしょう。


では一体フォン・ノイマン・マシンはどこにいるのでしょうか?


科学者のカール・セーガン博士は「フォン・ノイマン・マシンが銀河に広がっていないことが宇宙人が自己増殖マシンを作り出せていないという証拠だ」と述べています。


また、「自己増殖マシンが存在しないことが宇宙人が存在しないことを証明している」と考える人もいます。


もしくは、自己増殖マシンの開発に失敗して、とっくの昔に宇宙人が絶滅した証拠だと考える人もいます。


他方で、SF小説家のデビッド・ブリン氏のように、宇宙にはすでにさまざまな種類のフォン・ノイマン・マシンが存在していて、現在進行形で増殖し続けているという想像もあります。


文明が進歩して脅威になる前に滅ぼす目的で開発されるフォン・ノイマン・マシンがあると考える人もいます。


また、そのようなフォン・ノイマン・マシンがすでに地球に狙いを定めているという説も。


フォン・ノイマン・マシンの開発に成功した宇宙人たちは、人類がさらに先の文明レベルに到達するのを注視しているのかも。というか、もうすでに宇宙人が地球に上陸している可能性もあるかもしれません。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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